特別な場所で特別なクラブに挑む島川俊郎が想いを心に仕舞う理由【甲府】

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特別な場所で特別なクラブに挑む島川俊郎が想いを心に仕舞う理由【無料記事 コラム 島川俊郎】山梨フットボール
2017年09月29日更新

【コラム 島川俊郎】

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吉田達磨監督は今節、島川俊郎に期待するプレーのひとつとして、「人が嫌がるピッチの中の雑用をこなしてほしい」と話す。

特別な場所で特別なクラブに挑む島川俊郎が想いを心に仕舞う理由


「そういうのを人にグチグチ言うのはなんかダサいというか...自分の心に仕舞っている」

キツイ言い方でこう話したのではなく逡巡したように搾り出した。それでも知りたい。

「レイソルは俺を育ててくれたクラブで俺の全て。言葉で簡単に表現できる感情ではない。チャンスを貰えるなら感謝の気持ちを込めて全力でやるだけ」

今節先発を果たせば島川俊郎はプロ選手として初めて日立台のピッチに立つことになる。柏のU-15、U-18で育った島川は黄金世代と言われた武富孝介(柏)、工藤壮人(広島)、酒井宏樹(日本代表、オリンピック・マルセイユ)らと同期だったが、トップ昇格は果たせず仙台に加入。しかし、仙台でもケガが多く柏戦どころかJ1で出場するチャンスも掴めないままJ2、J3、JFLのクラブを渡り歩いて今年甲府に加入。そして、甲府で初めてJ1リーグ出場のチャンスを掴みここまで7試合、481分間プレーしてきた。しかし、第15節(6/17)のホーム柏戦(0-0△)はベンチ入りは果たしたものの出場のチャンスはなかった。

「当然あの試合は出場したかったけれど、信頼して使ってもらえなかった自分の実力不足。でも、自分が試合に出ることよりもチームがここまで取り組んできたことを発揮すれば8連勝中のレイソル相手に、『やっていけるんだ』と思えたことがよかった」

そして今度巡ってきたチャンスは、日立台のアウエー柏戦。U-18の頃は何度もプレーした日立台のピッチにプロサッカー選手・島川俊郎として立つのは全く別物。吉田達磨監督が「あいつらにとって柏のアカデミー時代の繋がりというのは特別で永遠」とい趣旨の話を以前したことがあるが、彼らにしか分からない深いものがある。工藤も酒井も今は違うクラブでプレーしているが、その想いは同じはず。ただ、トップに昇格してレイソルのユニフォームを着てプレー経験を積んでからから移籍した彼らと違って、島川はトップに昇格できずに違うクラブのユニフォームを着て日立台に戻ってくる。

複雑なのは当然。自分の心の中でもうまく整理ができないであろうことを他人にうまく伝えることができるわけがない。ただ、明確に伝えてくれたことがある。

「レイソルは俺にとって特別なクラブで、日立台は特別な場所だということは一生変わらない。でも、個人的な感情を抜きにして残り7試合を甲府の選手として勝たないといけない。達さん(吉田達磨監督)は両親と同じで俺を育ててくれた人。でも"達さんのために"とか個人的な感情を出すのは甲府に失礼だし、これからの試合は全て残留のために大事な試合。自分に来たチャンスを逃したくない試合がたまたまレイソル戦なだけ」

吉田監督は島川が中学2年から持ち上がりで高校3年まで指導してきた恩師。この2人の経験や絆や想いも他人には分からないが、信頼関係が深いからこそこう言えるんだと思う。時代が進んで柏の選手・スタッフの顔ぶれも変わっているが、同期の武富がトップ下でアンカーの島川とマッチアップする関係なのは運命。島川はウエットな感情を拭い去ってヴァンフォーレ甲府の選手として日立台に立つ。その想いはチームメイトが分かっている。共に戦い、共に喜ぼう。
(松尾潤)



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