【大宮】苦難のシーズンの発端。是正されなかった戦力バランス(前編)【シーズンレビュー/編成編】
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■戦術的ダメージも大きかった家長昭博の流出
最下位でのJ2降格という最悪の結末を迎えたシーズンにあって、振り返っていくとすればシーズン開始前、正確に言えば始動前に時点まで遡る必要がある。さまざまな面で後手に回ったシーズンだが、その始まりはやはりチーム編成。苦悩のシーズン、その発端から探っていきたい。
まず、誰しも思い当たるのが家長昭博の放出だろう。当時の状況を整理すると、決して慰留が不可能な条件ではなかったが、結果として家長は川崎Fへの移籍を決断した。G大阪へ移籍した泉澤仁とのセットで語られることも多いが、やはり家長の流出は影響が大きかった。
最終節の対戦では5点差が生まれ、川崎Fは優勝を果たし、大宮は最下位に沈んだという事実だけでも、この移籍がいかに大きなダメージだったかは分かる。より細かく見ていけば、戦術的にも替えの利かないセカンドトップが不在となり、タイプ的に代役にはなり得ない大前元紀や長谷川アーリアジャスールのフィットを待つことで、チーム作りが遅れた側面もあった。
それでもシーズン当初、開幕から2試合ほどは昨季からの勢いのままに好ゲームを演じたが、結果が付いてこない状況で新チームの熟成も進まず、徐々に失速。時間が経つにつれて編成面の粗が目立つことのほうが多くなっていった。
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