
【森雅史の視点】2025年10月14日 キリンチャレンジカップ2025 日本代表vsブラジル代表
キリンチャレンジカップ 日本 3(0-2)2ブラジル
19:35キックオフ 東京スタジアム 入場者数44,920人
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日本がブラジルに初勝利を収めた。前半2点をリードされながら、後半は戦い方を変えてブラジルを混乱に陥れ、鮮やかに3点を奪って見せた。
ブラジルは5-0と圧勝した韓国戦からDF陣をすべて変更。特にエデル・ミリトン、ガブリエウのCBをファブリシオ・ブルーノ、ルーカス・ペラウドに変えたことが混乱のもととなった。また日本が前半のブロックを作って待ち受ける守備から後半は積極的にプレスにいく戦い方に変更したことで、そのコンビネーションのなさが浮き彫りになった。52分の南野拓実のシュートはその混乱に乗じたもの。また62分、この試合でもっとも活躍を見せた伊東純也のクロスを、元チームメイトの中村敬斗はしっかりとコースを読めたがブラジルのDFは判断が遅れた。71分に伊東のCKを上田綺世がヘディングで合わせた場面も、個の勝負に持ち込まれてしまっている。
日本はこの試合でも多くのテストを繰り返しつつ、次第にチームを作り上げてきている。上田、伊東、堂安律、南野、中村、鎌田大地という本大会でも期待されるメンバーの実力が確認できたことに加え、左CBの鈴木淳之介、守備に回ったときの右WBまたは右SBとなる望月ヘンリー海輝の経験を積ませることができたのは大きな成果だろう。一方、久保建英はケガの影響もあったのか、いつものキレは見られなかった。ボランチの佐野海舟は2試合ともほぼフル出場と森保一監督の期待の高さを伺わせており、守備での貢献度の高さは間違いない。あとはどこまで攻撃に絡めるかが、本大会での出場チャンスがあるかどうかに関係するはずだ。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート