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【森雅史の視点】2025年8月27日 天皇杯準々決勝 FC町田ゼルビアvs鹿島アントラーズ

天皇杯準々決勝 町田 3(2-0)0 鹿島
18:30キックオフ 町田GIONスタジアム 入場者数 5,965人
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両チームとも、こんな点差になるとは想像していなかっただろう。実際、立ち上がりは鹿島のペースだった。6分には鈴木優磨が、8分には田川亨介がシュートを放ちペースを握っていたのだ。ところが15分、町田は2回目のCKからデザインされたプレーで増山朝陽がフリーとなり、ヘディングで先制点を決める。攻守ともにセットプレーに自信を持つ鹿島はこのプレーで急に元気を失った。さらに21分、抜群のキレを見せる藤尾翔太がDFを背負った状態から振り向いてシュート。これが決まって町田がリードを広げた。

 

鹿島は後半レオ・セアラを投入して逆転を狙う。ところが46分、ハーフライン付近で相手のパスをカットした下田北斗が前を向くと、組み立てに参加していた早川友基はまさかのパスミスに慌てて戻るところだった。折しも強風、しかも逆風だったが下田が狙い澄ましてロングボールを蹴ると、これがしっかり枠を捉えて3点目。この1点で勝負アリとなった。下田は1点目のCKに加え、この3点目の正確なコントロールで町田にとって初めてとなる天皇杯ベスト4入りをたぐり寄せた。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート