【田村修一の視点】2025年1月11日 全国高校サッカー選手権大会準決勝 流通経済大柏vs東海大相模
第103回全国高校サッカー選手権大会準決勝
流通経済大柏1(1-0)0東海大相模
14:20キックオフ 国立競技場 入場者数37,933人
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大会の本命として4度目の決勝進出、2度目の優勝を目指す流通経済大柏(以下流経)と、初出場で失うものは何もない東海大相模(以下東海)。前半の両者の戦いは、硬さが見られアグレッシブさに欠ける流経に対し、出足の速さで自分たちのペースに持ち込もうとする東海が拮抗する展開となった。
ただ、先制点は流経。試合の流れとは関係のない、ペナルティエリア内での東海の反則によるPKでの得点だったが、これが勝敗の明暗を分けた。
後半開始早々、立て続けにチャンスを作り出した流経が、ゴールバーを叩いた2本のシュートのうち1本でも決めていたら、流れは大きく傾いていたかも知れない。だが、決めきることができず、さらに前半負傷退場した佐藤翔に代わるロングソローワーの戸川を投入した東海が、ロングスローによりペースを取り戻して試合は再び拮抗した。
ただし東海も、ゴールには迫ってもゴール前では効果的な攻撃ができない。流経の硬い守りに得点機を作り出せずに試合が終了した。
東海には自分たちの立ち位置を認識し、今後の方向性を確認する試合、流経には内容が悪くとも最低限のことはやり遂げる、生みの苦しみの試合となった。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。