【田村修一の視点】2024年11月2日 ルヴァンカップ決勝 名古屋グランパスvsアルビレックス新潟
ルヴァンカップ決勝 名古屋 3(2-0、2-2、3-2、3-3、5PK4)3 新潟
13:09 キックオフ 国立競技場 入場者数62,517人
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両チームの勝利への意志が全面に出た、見ごたえのある決勝だった。
初タイトルを狙う新潟は、前半を終えて0対2と名古屋にリードを許しながらも、本来のポゼッションスタイルを貫き通し、後半のアディショナルタイムで同点に追いついた。延長で再びリードされての同点ゴールも、質の高いプレーが連続したカウンターによる新潟らしい得点だった。
一方、今季のターゲットをこのタイトルだけに絞った名古屋も、マンマークをベースにした3バックシステムに磨きをかけて、新潟のパスサッカーの分断を図った。トータルでは新潟にボールを握られたが、2得点の永井謙佑が守備でも獅子奮迅の働きを見せたように、リードを守り切るマネジメントはほぼ成功しかけていた。
選手個々のプレーや監督のマネジメントにも見どころが多く、サッカーの奥深さを堪能できた試合だった。勝負を決めたPK戦は、ただひとり新潟の長倉幹樹が外して決着がついたが、勝者と敗者を等しく讃えたい素晴らしい勝負だった。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。