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【森雅史の視点】2024年10月30日 J1リーグ第35節 横浜F・マリノスvs浦和レッズ

J1リーグ第35節 横浜FM 0(0-0)0 浦和
19:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数21,397人
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シーズン終盤の戦いらしい内容だった。横浜FMは27日にG大阪と120分間の激闘を繰り広げた影響が見えた。浦和は監督交代してチームを再構築しようとしている姿だった。勝ち残っていったことで過密日程になったチームと、シーズン途中で方向を変えたチームは、ともにギクシャクしたゲーム展開でなかなか決定機をつくり出せない。ときおり個人技でGKを襲うが両GKの美技が失点を許さなかった。

 

両チームのサポーターはそんなお家事情を十分に分かっているのだろう。決して味方の選手をくさしたりしなかった。そして何よりこのゲームを貶めなかったのは、お互いがファウルで相手を止めるなど暴力で勝点を奪おうとしなかったことだ。また何度かあったVARの場面ではレフェリーに対してともに冷静な態度で接していたことも、試合の品格を守った。ただ、厳しい言い方をすれば、タレントが揃っているチーム同士の戦いなので、サッカーの楽しさが表現できる条件で戦えていれば集まった観客はもっと熱く見ることができたのではないかと思う。そういう意味で残念だった。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート