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【田村修一の視点】2024年5月4日 U23アジアカップ決勝 U23日本代表vsU23ウズベキスタン代表

AFC U23アジアカップ カタール2024 決勝 U23日本代表 1(0-0)0 U23ウズベキスタン代表
00:30キックオフ ジャシムビンハマドスタジアム 入場者12,276人
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日本U23代表がウズベキスタンU23代表を下し、2016年以来2度目のU23アジア選手権制覇を成し遂げた。

 

大会最高のクオリティを誇る2チームの対戦。前半はマンツーマンでプレスを仕掛け、日本に自由にボールを回させなかったウズベキスタンがペースを握った。そこで失点を喫していたら、試合はまったく違った展開になっていただろう。だが日本は何とか持ちこたえ、大岩監督は後半に戦術的修正を加えた。

 

「中盤の立ち位置を変えながら、プレーエリアを支配しようとした」

 

大岩監督のコメントである。具体的には前線へのよりスピーディなフィードが、日本の攻撃を効果的にした。ウズベキスタンの疲労もあり、荒木と平河の投入(後半17分)以降はペースを日本が徐々に握るようになった。さらに山田と川崎が入り(後半26分)、流れは完全に日本に。そこから山田のゴール(後半46分)が生まれた。

 

小久保のPKストップ(後半55分)がなかったら、ゲームは延長戦に突入し、結果はどう転んでいてもおかしくはなかったが、疲労による消耗は明らかにウズベキスタンの方が顕著だった。日本の見事な優勝であり、チーム全員で勝ち取ったコレクティブな勝利であるといえる。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。