【田村修一の視点】2024年4月30日 U23アジアカップ準決勝 U23日本代表vsU23イラク代表
AFC U23アジアカップ カタール2024 準決勝 U23日本代表 2(2-0)0 U23イラク代表
02:30キックオフ ジャシムビンハマドスタジアム 入場者6,405人
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日本U23代表がイラクU23代表を2対0と下し、U23アジア選手権の決勝に進むとともにパリ五輪出場権を獲得した。
ベスト4に残った4チームの中では、日本がプレーのレベルでも選手のクオリティでも頭ひとつリードしている。それでも何が起こるか分からないのがサッカーであり、ましてや一発勝負である。相手が仕掛けた罠にはまり込まないとも限らない。
だが、イラクは真っ向勝負を挑み、受けて立った日本が前半はゲームを支配したうえに得点もあげた。イラクが守備的な5・4・1システムを敷いたのは、日本の攻撃力を警戒してのことだったが、それが結果的にあだとなった。ボールを支配して自在にゲームをコントロールした日本は、次々にチャンスを作り出し藤田のパスから細谷(28分)と荒木(43分)がゴールを決めた。
後半は守備から攻撃にシフトしたイラクに対し、日本も開始から幾度となく得点チャンスを作り出した。だが、決めきることが出来ずにイラクに反撃の余地を与えてしまった。それでもイラクの縦に速い攻撃に対し、CBを中心にコレクティブに守り抜いた日本が、決定的な得点機会をほとんど与えることなく試合を終えたのは特筆に値する。ゲームマネジメントに関しては監督もまた選手も、最後まで冷静でまったく危なげはなかった。
残るは決勝のみ。相手はウズベキスタン。日本同様にパスを繋ぎプレーを構築するチームである。フィジカルコンタクトもフェアだが強い。
そんなウズベキスタンに対し、日本はイラク戦同様に本来のクオリティの高さで上回ってキッチリと勝利を収めて欲しい。優勝で有終の美を飾るのは、勝ち残った日本のある意味ノルマであるのだから。
田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。