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【森雅史の視点】2024年3月1日 J1リーグ第2節 川崎フロンターレvsジュビロ磐田

J1リーグ第2節 川崎 4(1-3)5 磐田
19:04キックオフ Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 入場者数20,316人
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ジェットコースターのような試合展開だった。普通なら磐田が先に3点をリードした時点で試合の結末は見えるはずだ。だが川崎は粘りに粘って同点に追いつく。まずここまででもあり得ない展開だ。しかしこれで終わらない。

ジャーメイン良がスルーパスに抜け出してGKと接触しPKを獲得。これを決めて磐田が80分にまたもリードした。その5分後、今度は山田新が抜け出そうとしたところをDFが引っかけて川崎がPKを獲得する。これを山田が決めて「川崎劇場」と呼ばれる川崎のホームでの強さ発動と思われた。

ところが後半アディショナルタイム、ペナルティエリアの中でハンドの反則があったということで再び磐田にPKが与えられる。これをジャーメインが決めて磐田が逃げ切り態勢に入った。川崎は残り数分はGKチョン・ソンリョンもセットプレーで上げ、追い上げムードは最高潮に。しかし、何かを起こすには時間が足りなかった。

それぞれ5失点、4失点と大量にゴールが生まれるということは、お互いのチームの守備に問題があったことは間違いない。守備が安定しない限り、勝点の積み上げは難しくなってくる。だがときにこういうノーガードの打ち合いのような試合は存在する。監督が引き締めようと思っても、なぜか簡単に崩されてしまうのだ。

両チームは「観客には楽しんでもらえた」として割り切るしかないだろう。そしてこんなゲームを続けないようにコンディションを整えるしかないのではないだろうか。ただ気になるのは川崎だ。ACLの山東戦ではアウェイで2失点、ホームでは4失点している。派手な試合が得意なチームとはいえ、このままでは優勝の目がどんどん遠ざかってしまいそうだ。

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート