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【田村修一の視点】2023年3月11日 J2リーグ第4節 大宮アルディージャvsジュビロ磐田

J2リーグ第4節 大宮アルディージャ1(0-0)0ジュビロ磐田
14:03キックオフ NACK5スタジアム大宮 入場者数8,732人
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試合内容ではほぼ圧倒的に磐田。だが劇的な形で勝利を得たのは大宮で、サッカーという競技の難しさと醍醐味を堪能できた試合だった。

目立ったのは磐田のバランスの良さと攻撃のクオリティの高さだった。とりわけ遠藤と針谷のふたりのボランチはチームの頭脳であり心臓でもあった。ふたりでバランスを取りながら、全体をオーガナイズしてパスを供給する。遠藤の実績は誰もが認めるところだが、若い針谷が遠藤との補完関係でチームにリズムを与えたのは特筆に値した。前半のうちに先制していれば、その後の試合の流れはまったく違うものになっていただろう。

一方、前節熊本戦の敗戦から守備をさらに強化して臨んだ大宮にとっても、ボールを支配されるのは想定内の事態だった。その意味ではGK笹原のファインセーブもあったとはいえ、最終ラインを決定的に崩されなかったのは一定の成果といえた。とはいえボールを奪ってからの攻撃の構築には大きな課題が残る。

決勝点はパワープレーからの得点。望外の勝ち点3は今後のリーグ戦の展開に重要な意味を持ちうるし、何よりもスタジアムに詰めかけたサポーターに次の試合も見たいという希望を与えた点で意義があった。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。