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【田村修一の視点】2022年10月12日 J1リーグ第27節 横浜F・マリノスvsジュビロ磐田

J1リーグ第27節 横浜FM0(0-0)1 磐田
19:03キックオフ 日産スタジアム 入場者数20,493人
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横浜FMが優勝への生みの苦しみを味わっている。前節のG大阪戦に続き、この日も硬さが目立ちミスを連発した。プレーのスピードとインテンシティ、流動性……、いずれも欠いて、ボールは保持するものの本来のスタイルからは程遠かった。たしかに磐田の守備は厚かったが、いつもの横浜FMであればそれでもこじ開けてゴールを決めていただろう。マスカット監督も会見の最後にはメンタルを強く持ち続けること、強い気持ちを持って戦い続けることが大事であると認めた。もともと横浜FMは、対戦相手よりも自分たちのサッカーが全うできるかどうかをこだわり続けてきたチームである。次の浦和戦までは時間が空く。原点に立ち返れるか、精神的に開き直れるかどうかが優勝への鍵となる。

一方の磐田は、相手の拙攻にも助けられながら、守備の安定を得ることができた。長い時間を耐えながらカウンターによる得点も決まり、J1残留を賭けた最後の戦いに一縷の望みをつないだ。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。