【森雅史の視点】2022年8月21日 J1リーグ第26節 湘南ベルマーレvs鹿島アントラーズ
J1リーグ第26節 湘南 1(0-0)1 鹿島
19:03キックオフ レモンガススタジアム平塚 入場者数10,781人
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スコアから想像される、鹿島が攻めたが湘南も粘って同点に追いつき終了した、という試合ではなかった。試合は立ち上がりから湘南のペース。素早い出足で鹿島をたじろがせ攻め入る。鹿島は素早く長いサイドチェンジで対抗しようとしたが、精度が足りない。もっとも湘南もアタッキングサードになると急に足踏みするためにお互いチャンスは少なかった。
後半、湘南は町野修斗を投入して勢いを増そうとするが、鹿島はさらに仕掛けた。ハーフタイムに3選手を交代させ一気に流れをつかむ。そして59分、右サイドを崩し、樋口雄太が中央に入れたボールをエヴェラウドが蹴り込んで先制点を奪った。湘南がいよいよ攻撃にテコ入れをしようと3選手を用意していた74分、CKから大野和成が折り返したボールを瀬川祐輔が頭で合わせて同点とする。湘南はこの日のCKで同じ場所をしつこく狙っており、スカウティングの勝利と言えるゴールだった。
得点直後、湘南は用意していた選手を投入して圧を高める。そのぶん、鹿島に攻める隙も生まれていたが、もう鹿島に残された策は少なかった。結局、スコアは動かずタイムアップ。湘南は札幌に1-5で負けたチームを立て直し、鹿島は岩政大樹新監督になっての不敗を継続した。
森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート