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【東京V】【練習レポート】『数的優位のつくり方』8月11日(日) J2第27節 鹿児島ユナイテッドFC戦 19:00 味の素スタジアム

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【無料記事】【練習レポート】『数的優位のつくり方』8月11日(日) J2第27節 鹿児島ユナイテッドFC戦 19:00 味の素スタジアム(19.8.9)スタンド・バイ・グリーン

この暑さのなか、頭と身体を使ったトレーニングが連日続く。
この暑さのなか、頭と身体を使ったトレーニングが連日続く。

■ロジックを理解し、身体に覚え込ませる

「その形だと数的優位にならないだろ?」

永井秀樹監督が厳しい声を発し、トレーニングを止める。少しでも練習の質を上げるため、開始時間を気温の下がった17時に変更。日は西の空に沈みかけていた。

ゴール前の4対2。攻撃側はパスを回し、設定されるラインを3回越えるまでシュートを打つことができないルールだ。守備側は門を締め、スライドのタイミングを合わせながらパスを阻む。

4人の立ち位置とボールを受ける体勢、アングルのつくり方が重要になる。元から数に勝る攻撃側が有利なのはたしかだが、それを生かすためには正当なロジックがともなっていなければならない。

「広く使われている数的優位という言葉。どこに立てば、相手がいやがるのか。優位性をきちんと生かせるのか。実際にはつくり方がきちんと理解されていない。守備側の前にふたり立ってしまいがちですが、それではダメなんですよ」(永井監督)

基本は、ひし形。両サイドと裏に1枚ずつ配置し、速く、正確にボールを動かし、同時に相手も操りながらチャンスを見出していく。

すでに永井監督と長い時間を共有しているユース出身者には、なじみ深いトレーニングだ。

「ふだんの練習や試合前にもよくやっていました。見かけほど単純ではなく、立ち位置を間違えると守備側に数的優位を簡単に消されてしまう」(森田晃樹)

こういった地道な積み重ねにより、ゴールにつながるプレーの精度は高められていくのだろう。

11日のJ2第27節、13位の東京ヴェルディは20位の鹿児島ユナイテッドFCと対戦する(19:00 味の素スタジアム)。6月のアウェーゲームでは、1‐3と苦杯をなめさせられた相手だ。

当日の天気予報は晴のち曇。チケットのご購入はヴェルディチケットまで。

永井監督から「ボール保持者はアングルを意識して」と指示が飛ぶ。
永井監督から「ボール保持者はアングルを意識して」と指示が飛ぶ。

永井監督をサポートするために、東京Vユースからトップに移ることになった保坂信之コーチ。
永井監督をサポートするために、東京Vユースからトップに移ることになった保坂信之コーチ。

《クラブウオッチ》
「さあ、いろいろありますけど前向きにいきましょう!」と、空元気でも出さなければやっていられない様子のクラブ関係者。鹿児島戦は、小学生以下先着1,000名に『50周年記念オリジナルキッズユニフォーム』をプレゼント。これに合わせ、後半戦の試合会場での申し込み限定で、『キッズパス』を通常年会費の半額の500円で入会できるキャンペーンをスタートさせている。「キッズパスの特典である先行入場をご利用いただければ、キッズユニフォームのご入手はより確実です」(クラブ関係者)。

[今季の1試合平均入場者数] 5,277人( 16/22位)
過去3シーズンの1試合平均入場者数
2016年 5,402人
2017年 6,206人
2018年 5,936人

●ランド地獄耳●
▼「おつかれさ~ん」と一旦クラブハウスを出て、しばらくしたら「カギがないと、クルマのドア開かないよね」と戻ってきた永井監督。案外、そそっかしいところも。
▼弟分の森田について、「あいつは一つひとつが全部ヘン」と李栄直。「まず、髪型がおかしいでしょ。あんなふうにしたら目に入っちゃうに決まってるじゃないですか。クルマに乗ったら乗ったで、自分はちょっと違うんスよとばかりに、やたらとマイナーな曲を聴かせてくる」。まあ、ちょっと斜に構えたい年頃ではありますな。
▼一方の森田は「ヨンジくんのヘンなところ……。いや、人としてちゃんとしてますよ。空気を読めるし、人との接し方が上手。言っていいことと言っちゃいけないことの判断も間違えない。好き? はい、好きですね。あの人のことを嫌う人はいないんじゃないですか。ひとりの人間として尊敬しています」と真っすぐな目で敬意を表明した。ヨンジさん、あんたの負けだよ。

【永井用語 初級編 二】
『3.5』
「ピッチの幅68メートルを守るには、4人は必要なんです。ただし、最終ラインが常時4枚だと後ろがやや重たくなる。そこで、ひとりは中間ポジションを取り、3.5というわけ。いくら相手を押し込めても、背後のスペースのケアを怠るとそこを突かれて失点してしまいます。前へいけるときはいきたいからこそ、守りに転じたときの備えはしっかりと」
J2第25節の栃木SC戦のようにハーフコートゲームとなった際は、上福元直人を数に入れての3.5になるみたいです。

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