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【Jリーグ】年間約2万回行われたJクラブのホームタウン活動について「クラブと選手がずっとクラブホームタウン活動を一生懸命続けてきて、それはこれからも続けていきます(Jリーグ・藤村氏)」

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年間約2万回行われたJクラブのホームタウン活動について「クラブと選手がずっとクラブホームタウン活動を一生懸命続けてきて、それはこれからも続けていきます(Jリーグ・藤村氏)」~2019年第3回のJリーグの理事会より(3)~『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』

3月19日、JFAハウスにて2019年3回目のJリーグの理事会が行われ、理事会後に記者会見が行われた。

理事会後の会見に続いて、Jリーグ社会連携本部藤村本部長より Jクラブのホームタウン活動についての説明が行われました。

(2)はこちら

2018年のホームタウン活動報告はこちら(PDF)


○Jリーグ社会連携本部 藤村昇司本部長

「社会連携(シャレン)をご説明する前に、毎年恒例なんですが、Jクラブのホームタウン活動の集計ができましたので、ご説明させていただきます。

2018年1月~12月まで、54クラブが実施したホームタウン活動をクラブからご報告いただいて、それを取りまとめています。毎年恒例のとりまとめで、実は2006年から集計しています。最初のころは、選手やクラブの社長さんに地域の中に出ていっていただきたいということで、選手と監督と社長の活動数だけを集計していました。

2016年から大きく数え方を変えて、もっと広くクラブの関係者が地域に出た活動を全部カウントしましょうということで替えました。こうした地域活動は主力をアンバサダーやマスコットやアカデミー、普及コーチが担っていて、それらを数えないとクラブが地域で何をしているか正しく反映されないので、クラブとしては報告の手間がすごく増えたことはありますが、2年間かけてクラブの方々と話し合い、3年前から大きく変えています。同時にどんな活動をホームタウン活動とカウントするかを整理しました。一見するとホームタウン活動っぽいけれども、普通の方から見ると営業活動であったり販促活動というものもありました。例えば必勝祈願などはクラブのためのもので地域のためのもではないから数えないなどのルールを整えてカウントしました。色々な活動を、この3年間は『健康』と『地域振興』と『社会課題』に分けて、どのあたりの領域の活動が多いかもわかるようにしています。

昨年1年間、54クラブの活動の総数が20,032回となっています。2017年の17,832回から2,200回増えています。1クラブ平均(54クラブ)で割ると、年間371回平均となります。

クラブごとに集計も行っていますし、どんな領域で動いているか、(内側にある数字が)昨年と比較しながら見ていただます。資料は100ページを超えるものなので、Jリーグのホームページに掲載させていただいていますので、必要な方はご覧下さいという形にさせていただいています。

今年は、各クラブのホームタウン担当の方が、1年を通じて最も感動した場面を1枚の写真と短いコピーで寄せてくださいというトライをしました。

※クラブの活動を一部紹介

●札幌
例えば、札幌さんだと、昨年の9月にあった北海道胆振東部地震被災者訪問を挙げています。

Jリーグホームタウン活動調査より

●栃木
栃木ですが、選手の学校訪問はよくありますが、子どもの方から選手に50メートル何秒ですか?という質問が出たので、じゃあ外に出て一緒に走ろうと言って、子どもたちと選手が走っている写真を寄せていただきました。

●浦和
浦和レッズは、ハートフルクラブとして、落合キャプテンはじめ、長い間すごい回数のサッカー教室を実施していますが、「一生懸命、楽しんで、思いやり」の3つを子どもたちに伝える、サッカーを教えるというよりも心をはぐくむ取り組みとして、そのレッズのハートフルクラブの哲学を短い言葉で表現して、一枚の写真に寄せていただいています。

●横浜FM
昨年5月にJリーグを使おうという大きなワークショップをさせていただきました。その中で横浜FMは、『ウォーキングサッカーの日を作りたい』というアイディアを出されましたが、昨年の7月に早速横浜市内で実現しています。参加者の中には、電動車椅子の方や、知的障がいをもつ方がいたり、おばあちゃんや中年太りの私がいたり、いきなりダイバーシティ―な形で始まりました。このへんはJリーグのチームを持っている強みかなと思います。

●新潟
アルビレックス新潟は、早川選手が白血病から復活してきたところで、早川選手自身が自分の言葉で闘病生活について語ったのですが、それをして良いか非常に迷いがあった中で、先輩からの一言が励みになったというコメントをいただいています。

●富山
今新潟のところで「病院ビューイング」というのを4~5年前からおこなっていますが、その試みをカターレ富山が実施しました。富山の病院でDAZNを見ながら「カターレがんばれ」と応援する姿(写真)が寄せられています。ともすれば沈みがちになりがちな入院生活が、これによってとても雰囲気が良くなるということで、お医者様からもすごく評価をいただいて、そうした良い活動が県境を超えて新潟から富山に広がっていくということもJリーグが「シャレン」で目指していきたいことです。

●岐阜
昨年非常に災害が多かったのですが、岐阜も洪水や豪雨災害があった中、選手がすぐに動いてくれました。こういう状態のお年寄りのところに行ってくれて、とても良い笑顔の写真を撮ることができました。PDFでご覧いただくともって綺麗な写真でご覧いただけます。

●C大阪
U-23チームの選手たちが地域のろう学校を訪問し、点を取ったら手話で「桜」をやるよと約束して、次の試合で見事にゴールして実現するという、感動エピソードがありました。

クラブと選手がずっとクラブホームタウン活動を一生懸命続けてきて、それはこれからも続けていきます。地域の方に応援していただいて、初めてプロクラブが成り立つと思っています。

(2)へ続く

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