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沖縄のカンプノウで感じたフットボールの熱風(えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』)

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沖縄のカンプノウで感じたフットボールの熱風(えのきど・海江田の『踊るアルキバンカーダ!』)J論プレミアム

タグマ!サッカーパック』の読者限定オリジナルコンテンツ。『アルビレックス散歩道』(新潟オフィシャルサイト)や『新潟レッツゴー!』(新潟日報)などを連載するえのきどいちろう(コラムニスト)と、東京ヴェルディの「いま」を伝えるWEBマガジン『スタンド・バイ・グリーン』を運営する海江田哲朗(フリーライター)によるボールの蹴り合い、隔週コラムだ。
現在、Jリーグは北は北海道から南は沖縄まで58クラブに拡大し、広く見渡せば面白そうなことはあちこちに転がっている。サッカーに生きる人たちのエモーション、ドキドキわくわくを探しに出かけよう。
※アルキバンカーダはスタジアムの石段、観客席を意味するポルトガル語。


『FOOTBALL CAFE CAMP NOU』のオーナーである池間弘章さん。通称ヒロさん。


オリジナルミートとサルサソースが自慢のタコス(1P 350円)。旨い!

▼タコスとともに思い出した顔
昨年、FC琉球が初のJ3優勝・J2昇格を達成したとの報せを受け、ぱっと浮かんだのがヒロさんの顔だった。

那覇にある『FOOTBALL CAFE CAMP NOU』(フットボールカフェ カンプノウ)のオーナー、池間弘章さん。毎年、東京ヴェルディの沖縄キャンプを取材するうち、なじみの一軒になった。あちこちで沖縄名物のタコスを食べたが、僕はここのが一番好きだ。

今年も1月下旬からキャンプ取材があり、お祝いがてらカンプノウを訪ねた。
「優勝が決まった群馬戦は8000人入ったんだよ(※正確には、7810人)。おれはずっと後ろを見ててさ。いい眺めだなあ。これを待ってたんだよなあって」

ヒロさんはニコニコである。サポーターグループ「琉球グラナス」の代表も務め、応援の最前線に立つ人だ。

沖縄は距離的に離れているというのもあるが、つい遠目に見がちである。琉球王国をルーツとする独特の文化を形成し、在日米軍基地をはじめ、歴史的に複雑な問題も抱える。サッカーもそうだった。いつもゴタゴタと隣り合わせで、ラモス瑠偉やフィリップ・トルシエといったビッグネームがやって来ては去り、その様子を海の向こうから覗き見てきた印象だ。


国際通りから路地に入った場所。ホテルJALシティ那覇の裏にある。

▼沖縄とバルセロナは似ている
宮古島で生まれたヒロさん、大学進学を機に沖縄を飛び出して福岡へ。イベント会社でバリバリ働き、所帯を構えたこともあったがやがて道を分かつことになり、30代の半ばを過ぎて沖縄に舞い戻った。これからは手堅く医療関係かなと思い立ち、そっち方面に進もうとしたけれどうまくいかず、サルサバーに勤め(ここでの経験はタコス作りに生きた)、国際通りの裏手に店を出したのが2003年だ。開店にあたって、およそ300万の借金をこしらえた。

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