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「我々やクラブの皆さん日本のことを考えている皆さんの力が結集できれば、54クラブというのが大きなパワーを持つのではないか(村井チェアマン)」Jリーグ25周年を前に未来共創『Jリーグをつかおう!』ワークショップより

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「我々やクラブの皆さん日本のことを考えている皆さんの力が結集できれば、54クラブというのが大きなパワーを持つのではないか(村井チェアマン)」Jリーグ25周年を前に未来共創『Jリーグをつかおう!』ワークショップより『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』

5月14日、Jリーグは東京都内で未来共創『Jリーグをつかおう!』ワークショップを開催した。

これは、25周年を迎えるJリーグが、今後社会の様々な分野と連携しながら理念の実現に向けて、各種事業を展開するための意見交換を行うためのもの。
このワークショップにはJリーグ村井満チェアマンをはじめクラブ実行委員、各界で活躍する有識者、Jリーグと社会連携に興味のある社会人、大学生など合計300名が参加した。

※今回は、ワークショップでの出席者のコメントをお届けしています。

○村井満チェアマン
「本日はJリーグの25周年記念イベントにお越しいただきありがとうございます。
通常こういった記念イベントだと、シャンパングラスを片手にVIPの方が集まって、メディアの関係者もいて、華やかにやるわけですが、今回は趣を異にしています。

もちろん今回は25周年ということで、初代チェアマンである川淵三郎さんにもテーブルに入っていただいています。もちろんそれ以外にJリーグの現役選手、OB選手、クラブ関係者にも大勢集まっていただいています。その数を超える方々は、実はそのほかに集まっていただいているサッカー界の外側にいらっしゃる方々です。主婦の方、学生の方、NPO関係者の皆さん、共通しているのは、日本を何とかよくしていきたという思いを持っている方に、本日お越しいただいています。

ある意味で今日のこの場を社会の縮図をあつらえたいと思って起こしいただきました。、今日のこの場をそうしたその背景を少し説明させてください。

Jリーグは25年間地域密着というポリシーの中で、豊かなスポーツ文化をしっかりと振興していきたいと思いました。そして国民の心身の健全な発達に対して、できる限り貢献したいとやってきました。これがJリーグの一番重要な理念です。その活動は、Jリーグのホームタウン活動という言葉に、選手かクラブ関係者が学校を回ったり、施設を回ったり、そうした活動をしていく中で、地域に対する施しをやってまいりました。

これが、ある意味逆の方向での活動があると知ったんです。
地球の裏側のブラジルでした。ブラジルと言えば、Jリーグが始まった25年前、ジーコさんと共に幕を開けたと言っても過言ではありません。ジーコさんがやっていた活動は、チャリティの活動でした。私昨年一人でブラジルに行きました。このチャリティマッチの特徴は、市民の皆さんが1㎏の食材を持ち寄ってスタジアムに集まって、それを関係者の皆さんが恵まれない子供たちや施設に配る活動が発端でした。
ある意味で、クラブが施しをするのではなくては、市民がオーナーシップを取って自分たちの町を良くするためにクラブを活用する活動でした。

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1万8千回ホームタウン活動を見直してみると、いくつも素晴らしい活動があることに気づきました。
昨年優勝した川崎フロンターレはスタジアムの場を提供するわけですけど、主役となったのは川崎市の行政の方々やNPO団体の方々、福祉スタジアムにお呼びして、そうした方々と一緒にベンチの清掃やごみの分別回収をしていました。170人位の方々が1年間ずっとJリーグを利用してやってくれていました。その中で12%の方々が正規の就労に付いたという話をお聞きしました。

またもう一つのケースが、福島第一原発の事故で避難を余儀なくされた方々が、子供たちはマーチングバンドをやっていたのですが、それができなくなりました。一人ひとりが少しずつ帰ってきた中で、愛媛FCのホームゲームで発表しました。
我々やクラブの皆さん日本のことを考えている皆さんの力が結集できれば、54クラブというのが大きなパワーを持つのではないかと、今日みなさんと一緒にJクラブを使ってどんなことができるのかを、みなさんと一緒に考えたいと思います。
今回、きっかけを与えていただいたジーコさんにお越しいただいています。ジーコさん、どうぞいらしてください。

○ジーコ氏
「まず、今回Jリーグの25周年ということで、その場にお招きいただきありがとうございます。心から感謝します。
自分たちの国ブラジルではチャリティ精神-一人が他の人を助けること―を、たまたまサッカーが盛んな国で世界中から有名な選手が集まって、サッカーを通して皆さんに何かできたらということでした。数十年前から団体を自分で立ち上げて、なんとかサッカーを通して(チャリティマッチを行うことは)今も続いています。
今回、入場券を購入してという形ですが、1㎏の食料品や医薬品を一時的に保管して、団体に寄付をしていました。1万人も入らないジーコセンターでやっていましたが、だんだん賛同してくれる人が増えて、収まりきれないということで、リオのモルンビーでもやりましたし、それでも入りきらないのでマラカナンでも行いました。
今チェアマンがおっしゃっちょうに、今も世界中で誰かが誰かを支える運動や精神をもっと広げていくために、Jリーグの皆さんもいろいろな方たちと近寄りながら、本当に素晴らしいことなので、ぜひ成功させてください」

○村井チェアマン
「300人近くの方がいらっしゃるんですが、今回の日本を良くしていこうという運動に対して、一言激励をいただけますか?」

○ジーコ
「何でも行ってください。お手伝いさせていただきますので(笑)」

○村井チェアマン
「ジーコさん、ありがとうございました。ジーコさんに大きな拍手をお願いします。
Jクラブの社長と3か月に渡って議論してきました。日本をどういう国にしていきたいのかその一つの帰結が日本をどういう国にしていきたいかをみんなで考えようというセッションになりました。そのためには皆様の力が必要です。今日一日よろしくお願いいたします」


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