サードキャリアを模索するサッカー解説者 玉乃淳が切り開く新たなるステージ

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経営コンサルタントを本業としながらも、サッカー日本代表とコンサドーレの熱烈なサポーターとして各種メディアで積極的に情報発信を行っている村上アシシ氏。今回、J論ではアシシ氏独特のサポーター視点、経営コンサルタント視点で日本サッカー界を盛り上げる方法を探る対談企画をスタート。4回目は解説者・玉乃淳が登場。その玉乃氏は解説業以外に別のビジネスを先日立ち上げた。その狙いと今後の展開について聞いた。(前編「『喋りのファンタジスタ』玉乃淳が語るサッカー解説の極意」)


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▼新しいウェブメディアを立ち上げたきっかけ

アシシ:玉乃さんは先日、『TAMAJUN Journal』というウェブメディアを立ち上げたじゃないですか。選手にセカンドキャリアを聞いたり、サッカー界の経営者と話されたりしていますよね。サッカー解説を本業としている玉乃さんが、なんでウェブメディアを立ち上げたのか、その経緯についてお聞かせください。

玉乃:僕自身がサッカーの記事を読んでいて、例えば見出しと文章がまったく関連性がないとか、嘘とは言わないけど、うわべだけの薄っぺらい記事とかが多くて、自分の手で真実をえぐって、生の声を届けるような本質的なメディアを作ってみたいと思ったのがきっかけですね。

アシシ:別の記事で読んだんですけど、『TAMAJUN Journal』を作った目的はサッカー選手にフォーカスを当てて、いろんなセカンドキャリアについてインタビューして、サッカー選手の引退後の教科書みたいなものを提供したい、とありました。

玉乃:もちろんそれが一番の理由です。セカンドキャリアについては、ずっとサッカーダイジェストの連載で追っていたので。

アシシ:ダイジェストから転載された久保竜彦氏の記事は、ド肝を抜かれました。

玉乃:マジやばいですよ。あの人神様ですよ、無敵です。あんなに飾らない人はいないです。

アシシ:ああいった独特な記事が、インターネットで無料で読めるというのは良いですね。ウェブとの親和性が高くて、拡散しやすい点も含めて。久保竜彦さんの人間性が赤裸々と語られていて、非常に面白かったです。

玉乃:もちろん、本人も快く了承してくれてありがたいです。ただ、僕としてはサッカー界に限らず、ゆくゆくは全ての日本人に向けたセカンドキャリアの可能性を追求するメディアにしたいと思っているんですよ。

アシシ:なんと。そこまで広げるんですか?

玉乃:人間誰もがセカンドキャリアって訪れるじゃないですか。アシシさんの場合でも、コンサルの会社を辞めて次のステージに行っているわけですよね? 誰にでも当てはまると思うんです。パイは狭くしたくなかったんですよ。

アシシ:確かに今や終身雇用制度は崩壊して、誰もが転職などを経験する世の中ですし、それはある意味、サッカーを軸にしていても他業界の人にも当てはまりそうですね。

玉乃:おっしゃる通りですね。

アシシ:そうするとパイは1億2000万人ですね。

玉乃:しかも今ある仕事なんて、10年20年30年後ほとんどなくなるじゃないですか。そういう時にどんな人生があるのかな、というのがすごく面白いんじゃないかなと思って。

アシシ:そこまで壮大なビジョンを持っているとは思ってませんでした。

玉乃:今はまだサッカーの枠をまったく超えられていないんで、そこはどうしようかなって。全国区の知名度でもないし、助けてくださいって感じなんですけどね(笑)。

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▼収益性よりもまずは信念を大事にしたい

アシシ:『TAMAJUN Journal』の目指す方向性は理解できたんですが、その裏の仕組みというか、ビジネスモデルはどうなっているんですか?

玉乃:それ聞いちゃいます? まったくないです。事業自体はド赤字です。何の収益性も考えていません。逆にできるもんなら教えてください(笑)。

アシシ:Google Adsenseなどのインターネット広告は貼らないんですか?簡単にできますよ。

玉乃:貼ってないです、まったく。

アシシ:ちょっとした小銭稼ぎになりますよ。『TAMAJUN Journal』のPVはどれくらいなんですか?

玉乃:日によりますけど、記事がバズった日は数万アクセスとかです。

アシシ:だったら何十万円とはいきませんが、月数万円の広告収入はいけますよ。あと、サッカーと親和性の高いスポーツ関連企業の広告を独自の営業で取ってくるとか。玉乃さんの知名度であれば、それなりの単価で広告出してくれる企業、探せば見つかると思いますよ。

玉乃:個人的には、収益性よりもまずは事業の信念を大切にしたいんですよね。お金の方に走って、本質を見失うのは避けたいなと。

アシシ:とはいえ、事業を継続していくためにはマネタイズの仕組みは必要です。お金稼ぎは悪じゃないですよ。

玉乃:将来的には『TAMAJUN Journal』内でECサイトを立ち上げて、何かしらを販売するのも面白そうだと思ってますけどね。

アシシ:それは面白そうですね。確かに自分でメディアを持って、サッカーポータルサイト的な位置付けにして、そこから派生してサッカーグッズなどを売るというのは、ひとつのビジネスモデルとしてはありですね。

玉乃:今やみんなスマホで検索したり買い物したりする時代じゃないですか。そういう意味で、まずは自分が情報発信するサイトを持っておくことが重要なのかなと。『怒り新党』で一気に露出した時に、自分のサイトを持っていれば良かったなとも思いました。

▼『TAMAJUN Journal』はポテンシャルの塊

アシシ:正直申しますと、玉乃さんが独特のジャーナリズム精神を持っていたり、eコマースまで視野に入れたビジョンを持っていたり、ちょっと予想だにしてませんでした。

玉乃:あれ?やっぱり馬鹿にしてました?(笑)

アシシ:いや、テレビ越しに解説を見ていると、率直な第一印象は『天然なファンタジスタ』みたいな感じだったので。

玉乃:やっぱり馬鹿にしてるじゃないですか(笑)。

アシシ:でも玉乃さんから話が聞けてホント良かったです。世間一般的には玉乃さんを『不思議な人』と思っている視聴者はそれなりにいると思います。その人たちのレッテルを剥がせる真面目な記事が書けそうです。

玉乃:どんどん盛って書いてください(笑)。

アシシ:個人的に思うのは、今やウェブメディアというものを僕らサポーターが持ったり、玉乃さんのようなサッカー解説者が作ったり、インターネットの発達によって垣根がどんどんなくなっているなと。単なる自分発信のブログではなく、インタビュー記事を連載するようなメディアを持っているサッカー解説者って他にいないんじゃないですか?

玉乃:そうですね、気にしたことなかったですけど確かにいないですね。

アシシ:サッカー解説の本業の軸があるのに、敢えて新しいことにチャレンジする。サッカー解説界のパイオニアとして、道なき道を是非突き進んでほしいです。

玉乃:僕自身もセカンドキャリアを色んな人にインタビューしながら、自分のサードキャリアも模索中なんです。サッカー選手、解説者ときて、次は何をしようかなと。

アシシ:そういう意味で現時点でまだ赤字かもしれませんが、この『TAMAJUN Journal』は色んな可能性を秘めていますよね。

玉乃:そうなんですよ。ポテンシャルの塊だと思っています。まだ立ち上げて数カ月なので全然形になっていないですが、自分の信念を大事にして、育てていきたいです。

アシシ:『TAMAJUN Journal』が化けて、何か新しいビジネスを始めたらまた取材させてください。

玉乃:是非よろしくお願いします!

アシシ:今日はありがとうございました。

玉乃:ありがとうございました。

(取材日:2016年7月12日)


村上アシシ

1977 年札幌生まれ。職業は経営コンサルタント・著述家。外資系コンサルティング企業・アクセンチュアを2006年に退職し、個人コンサルタントとして独立して 以降、『半年仕事・半年旅人』のライフスタイルを継続中。南アW杯出場32カ国を歴訪した世界一蹴の旅を2010年に完遂。Jリーグでは北海道コンサドー レ札幌のサポーター兼個人スポンサー。

ウェブサイト:http://atsushi2010.com/
ツイッター:https://twitter.com/4JPN
近著:海外旅行のノウハウ本『ロジ旅

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