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テーマ東アジアカップに集う「Jの新鋭」

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青黒のサンパウロ魂・下薗昌記

2015 08/02  11:16

青黒随一のマルチロール。遠藤と二川の特長を足して二で割った男・倉田秋

海外組が不在となる東アジアカップの代表メンバーの中には、日本代表ではなじみの薄いフレッシュな新顔が多数含まれていた。2年前の同大会で柿谷曜一朗(バーゼル)や山口蛍(C大阪)ら、のちにW杯メンバーとなる新たな戦力が発掘されたように、今大会でもW杯予選に向けて新たな戦力の台頭が望まれる。今回の特集ではハリル・ジャパンの新鋭たちに所属クラブの番記者が迫った。第5回は26歳で「遅過ぎる代表入り」との声もあるG大阪の倉田秋をクローズアップする。



▼黄金の中盤を前にくすぶる才能
 G大阪のアカデミーが輩出した新世代のボランチとして、2007年にトップチーム昇格を果たしたのが倉田秋だった。

「遠藤と二川の特長を足して二で割った選手」。デビュー当時、クラブの関係者は倉田をこう評したものだ。

 ドリブルでの仕掛けを持ち味としながらも、パスも出せる攻撃的なボランチ。しかし、年代別代表の常連だった小柄な技巧派は、「黄金の中盤」とさえ称された全盛期の"西野ガンバ"で定位置どころか、出場機会も満足に得ることなく、その才能をくすぶらせていた。

 将来を嘱望された若者でありながら、プロの荒波に飲み込まれ、そして消えていったG大阪アカデミーの出身者は決して少なくない。

▼指揮官・長谷川健太も認めるポテンシャル
 ただ、倉田は本来望む形ではなかった他クラブへの期限付き移籍でその才を開花させて来た。倉田は率直な物言いが持ち味の好青年だ。

「千葉時代の江尻篤彦さんに走らされて、ハードワークに目覚めたし、前線での仕掛けに徹底的にこだわるようになったのはクルピのお陰」

 J1で初めてブレイクしたのは最大のライバル、C大阪に所属した2011シーズンだ。乾貴士(フランクフルト)や清武弘嗣(ハノーファー96)らとともに3シャドーの一角を預かると、完全にアタッカーとして覚醒した。

「やっぱりサッカー選手である以上、代表は目指さないとダメ。セレッソ時代の仲間が代表でやっているのを見れば、オレも入りたいし、やれる自信もある」

 ブラジル大会後、ハッキリと代表入りを目標に掲げ始めた倉田だったが、昨季は負傷の影響もあり生命線でもある2列目の序列では大森晃太郎や阿部浩之に次ぐ「第三の男」だった。

 ただ、チーム内の評価がこの男のポテンシャルを物語る。

「秋はもともと能力が高い選手なので、候補に挙がるのが遅いぐらいだと思っていた」と指揮官が言えば、遠藤保仁も「代表に絡んでいける選手。これを機に一つ成長しながらアグレッシブになれば、もっと上を目指せる」と言い切る。

▼宇佐美貴史とのコンビネーション
 主戦場は2列目だが、ときに最前線や、ボランチ、そしてACLでは左SBも急造でこなすチームきってのマルチロールではあるが、その万能性ゆえに今季序盤も、長谷川監督は「流れを変えられるカードだからベンチに」とあえて温存する試合もあった。

 かつての倉田ならば腐っていたのだろう。しかし、副主将も任される26歳からはしばしば西野朗監督の起用法に不平を口にした十代のころの青さは抜け切っていた。

「出たら結果を出すだけ。チームが勝てばそれでいい」

 与えられたポジションを起用にこなし、今季のG大阪では欠かせない存在ではあるものの、リーグ戦では数字の結果だけが伴っていない。

 だからこそ、倉田もハリルホジッチ監督への謝意を忘れない。「監督がよく見てくれていたなと思う。リーグ戦では1点も取っていないですからね」。

 逆に言えば、ドリブルの打開力とパスセンスを兼ね備えた倉田のパフォーマンスそのものが評価されたということだ。

 追い風となるのはアカデミーの後輩・宇佐美貴史の存在だ。宇佐美と倉田のコンビネーションで今季は再三、相手を切り崩しており、東アジアカップでも点取り屋として期待される宇佐美と相互扶助の関係性が期待できるはずだ。

 宇佐美も言う。

「秋君はホンマにスーパーな選手。何でもできるので、ピッチにいてくれるといろいろな絡みができる」

▼初選出から代表定着へ
 もっとも倉田自身は、周囲からの絶賛に対しても冷静な自己分析を忘れない。

「代表に選ばれただけでは意味がない。この先定着してかないとダメだし、そのためには結果が大事になる」

 千葉時代に覚えたハードワークと、攻守の切り替えを徹底して求める"長谷川ガンバ"ですっかり、闘う男に成長した倉田。それでも、自らのこだわりは前線での仕掛けである。

「ハードワークなんていまのサッカーじゃ当たり前。それプラス、ゴール前で決定的な仕掛けをするのが僕の仕事」

 長谷川監督が評するように、遅過ぎた代表入りかもしれない。ただ、倉田秋が歩んでみた道のりは、遠回りなどでは決して、ない。

 G大阪が誇る攻撃の万能戦士は、満を持して中国は武漢に乗り込む。

【プロフィール】
倉田 秋(くらた・しゅう)
1988年11月26日生まれ、26歳。大阪府高槻市出身。172cm/68kg。FCファルコン→G大阪JY→G大阪ユース→G大阪→千葉→C大阪を経て、2012シーズンにG大阪に復帰。J1通算137試合出場23得点。J2通算57試合出場16得点(2015年7月31日現在)。

下薗 昌記(しもぞの・まさき)

1971年生まれ。大阪外国語大学ポルトガル・ブラジル語学科卒。朝日新聞記者を経てブラジルに移住し永住権取得。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』のG大阪担当記者、日テレG+での南米サッカー解説などを行う。著書に『ジャポネス・ガ ランチード』(サッカー小僧新書EX)。堪能なポルトガル語を活かしてブラジル人選手と広く繋がっている。

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