キーパーチャージというルールはなくなりました。その理由とは?【審判コラム】
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今回は審判批評を中心としたWEBマガジン「石井紘人のFootball Referee Journal」からキーパーチャージに関する記事になります。
キーパーチャージというルールはなくなりました。GKに接触してもボールにプレーできていれば、不用意でなければノーファウル。詳細は本文で【無料コラム】(石井紘人のFootball Referee Journal)
2017年06月03日更新
私がプレーヤーだった頃、【キーパーチャージ】というルールが存在していた。簡単に説明すると、相手のゴールエリア内で、相手ゴールキーパー(GK)に接触するとファウルになるというルールで、GKはエリア内では守られていた。
だが、私が日本サッカー協会(JFA)公認C級ライセンスや三級審判員の資格をとった時には、【キーパーチャージ】というルールはなくなり、【(ボールにチャレンジしている競技者が、ゴールエリア内にいる相手ゴールキーパーに接触したが?)ボールにチャレンジすることは許されている。そのチャレンジが、不用意に、無謀に、あるいは過剰な力で、ゴールキーパーに飛びかかる、チャージする、あるいはGKを押すものである場合に限りその競技者は罰せられる】という認識になった。
その象徴と言えるのが、2015J2第13節のコンサドーレ札幌×ロアッソ熊本戦で物議を醸した巻誠一郎のゴールだ。
このゴールについて、JFA審判副委員長の上川徹氏は、
「非常に難しいシーンです。技術委員会の方々とも議論しました。レフェリーは得点を認めました。熊本の巻選手がGKごとボールを押し込んだプレーにも見えます。ただ、よく見るとGKはボールをキャッチしていない。巻選手のチャレンジも危険じゃないですよね?足を上げているとか、膝を立てているとかいうプレーではありません。巻選手が先にボールに触っている。ボールは巻選手とGKの間に収まっているだけ。巻選手のプレーに危険さはなく、ボールにプレーしている。そして、ボールも両者の間にある。以前は、GKはゴールエリアの中では特別なルールで守られているという規則もあったんですけど、今は関係ありません。普通のフィールドプレーヤーと同じです。
これはハリル(ホジッチ)さんにも見てもらいました。ちょっと意見を聞いてみようかなと。技術の方と一緒に。『難しいけど、レフェリーの判定は正しい』と言っていました。ただ、非常に難しいので、場合によっては笛が吹かれることもあるかもしれません」と説明している。
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