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【田村修一の視点】2025年11月9日 J2リーグ第36節 ジェフナイテッド千葉vs藤枝MYFC

J2リーグ第36節 千葉1(1-1)1藤枝
14:03キックオフ フクダ電子アリーナ 入場者数 13,708人
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優勝とJ1自動昇格のために絶対的に勝利が必要な千葉と、J3降格を避けるために攻撃サッカーを封印して勝ち点の獲得を目指す藤枝。ともに目的がハッキリした戦いは、藤枝が最後まで堅守を崩すことなく貴重な勝ち点1を地元に持ち帰った。

 

藤枝がここまで徹底して守備的なシフトを敷くのは、千葉には予想外だったのだろう。千葉はサイドを起点に攻め続けチャンスも幾度となく作り出した。それでも得点ができなかったのは、どこに原因があったのか。この試合だけではない。ホームの長崎戦(10月4日)やアウェーの秋田戦(10月26日)など、今シーズンも繰り返されてきたことである。

 

小林慶行監督は、「選手たちがやるべきことをやって、その中で結果をつかめなければ責任の所在はどこにあるかという話でしかないので。そこだけですかね」と試合後に語った。

 

チャンスを決めきれなかったことを、鈴木大輔はこう語った。

 

「最後は気持ちだと思っています。気持ちが強い奴のところにボールが転がって来る。ゴール前で持っている選手がいるというのも、僕は気持ちだと思っている。やることをやって、気持ちを出してやりたいなと思います」

 

どちらも真実である。リーグは残り2戦。千葉の戦いはこれからも続く。

 

一方、藤枝にとっては、J2残留が最大の目標。そのために自らの矜持とプライドを封印しての守備的な戦いだった。心情は複雑でも、使命は達成された。次に繋がるかどうかは、残りの戦い次第である。

 

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。