【六川亨の視点】2022年3月15日 JリーグYBCルヴァンカップ第1節 FC東京vsジュビロ磐田
YBCルヴァンカップ グループステージ第1節 FC東京 0(0-0)0 ジュビロ磐田
19:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数7,817人
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ルヴァン杯の初戦を落としている両チームにとって、勝利を目指すのは当然のこと。しかしリーグ戦を考えればターンオーバーを採用せざるを得ないのもまた当然だった。このためスタメンで先週末のリーグ戦に試合開始から出た選手は、FC東京はCBエンリケ・トレヴィザンの1人だけ。磐田にいたっては11人全員を代えてきた。
このため前半の20分までは両チームとも連係に意思の疎通を欠き、ミスの多い雑な試合となった。それでも磐田は前線からの積極的なプレスと、左サイドのウイングバック小川大貴とインサイドハーフ金子翔太の連係からFC東京の右サイドを脅かすなど、徐々に試合の主導権を握った。
2年目の1トップ、長身FWファビアン・ゴンザレスのスピードもFC東京にとっては脅威になっていた。前半20分と32分にはタテパスに抜け出しGKと1対1になりかけたが、ここはCB岡崎慎とエンリケの好カバーでピンチを逃れた。しかし後半15分、カウンターで抜け出したゴンザレスをエンリケが背後からのタックルで倒して一発レッドの退場処分。残り30分を10人で戦わなければならなくなった。
そこでアルベル監督は、選手交代により1ボランチの4-3-3からダブルボランチの4-4-1にシステムを変更して守備を固めた。試合終盤は磐田の伊藤彰監督も元日本代表FW杉本健勇を投入し、3-4-3から4-2-3-1にシフトしてゴールをこじ開けようとした。しかしGK波多野豪の好守や交代出場のベテラン高萩洋次郎の気の利いたプレーなどで時間を使われ、最後までFC東京のゴールを打ち破れずスコアレスドローに終わった。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。