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【森雅史の視点】2021年10月30日YBCルヴァンカップ 決勝 名古屋グランパスvsセレッソ大阪

JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 名古屋グランパス 2(0ー0)0 セレッソ大阪
13:09キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者数17,933人
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盾と矛の戦いという事前の予想どおりの試合展開は、セオリーどおりと言えるゴールで決着が付いた。

テクニック溢れる攻めを続けるセレッソ大阪に対して、じっくり守りチャンスとみれば飛び出すという名古屋グランパスの戦いは、ともに決定機のない膠着した状態で前半を終了した。そんなときにどうするか。セットプレーを生かして先制点を奪い、相手が前に出てきたところをカウンターで狙うというのが定石だろう。

名古屋は47分、CKから前田直輝がネットを揺らすと、79分、少ない人数で攻めて最後は稲垣祥がこぼれ球を蹴り込んで試合を決定付けた。後半に限っては展開も時間帯も名古屋の試合巧者ぶりが光った。特に自陣ペナルティエリア付近の直接ゴールを狙える位置でのFKを与えなかったことは、C大阪が名キッカーを数多く揃えることを考えると重要だったはずだ。マッシモ・フィッカデンティ監督は、いくつもの試合展開のパターンとその対応策を選手に伝え、それをピッチ上のプレーヤーがチョイスして後半の45分間を作ったと説明する。

C大阪は個人の技術は光ったが、パスがいくつかつながる間にずれてしまった。もし選手たちの描く絵が一致すれば美しいゴールが決まったのだろうが、この日はそんな場面が出なかった。カップ戦の決勝は守備を固めて固くプレーするというのもセオリーなのだろうが、自分たちの特長を出して攻めようとしたのはC大阪らしかったと言えるし、その考えはこの試合のエンタテインメント性を上げてくれたと言えるはずだ。

 

 

 

森雅史(もり・まさふみ)
佐賀県有田町生まれ、久留米大学附設高校、上智大学出身。多くのサッカー誌編集に関わり、2009年本格的に独立。日本代表の取材で海外に毎年飛んでおり、2011年にはフリーランスのジャーナリストとしては1人だけ朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本戦取材を許された。Jリーグ公認の登録フリーランス記者、日本蹴球合同会社代表。2019年11月より有料WEBマガジン「森マガ」をスタート