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【田村修一の視点】2025年11月14日 キリンチャレンジカップ2025 日本代表vsガーナ代表

キリンチャレンジカップ2025 日本2(1-0)0ガーナ
19:22キックオフ 豊田スタジアム 入場者数40,030人
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日本がガーナに快勝した試合だが、さほど実りの多いものではなかった。理由の大半はガーナが消極的なサッカーに徹し、アグレッシブさをまったく見せなかったことによるが、日本もそのガーナに合わせるかのように、インテンシティを欠いたプレーに終始した。南野拓実の先制点(16分)も堂安律の追加点(60分)も、コンビネーションと個人技が組み合わさった素晴らしい得点だったが、それを除けば連動性も不十分で、長所であるサイド攻撃も生かされなかった。

 

良かった点を挙げれば、消極的なガーナを相手にしっかりと勝ち切ったこと。かつて日本は、W杯南アフリカ大会のパラグアイ戦や同ブラジル大会のギリシャ戦など、守りを固める相手に苦戦し、苦杯を喫した経験がある。W杯カタール大会のドイツやスペイン、先月対戦したブラジルのように、強い圧力をかけてくるチームには、強度の高いリアクションで対抗できるが、自分たちがボールを保持して相手の守備ブロックをこじ開ける戦いでは、しばしば苦戦を強いられる。

 

繰り返すが、それでも勝ち切ったのは評価に値する。このガーナのような相手にも、インテンシティの高いプレーを追求すべきだが、W杯本番でも、同様な状況で結果を残すことを期待したい。

 

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。