【六川亨の視点】2024年4月28日 J1リーグ第10節 東京ヴェルディvsアビスパ福岡
J1リーグ第10節 東京V 0(0-0)0 福岡
14:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数15,459人
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試合後の城福浩監督は「前半あれだけボールを持ちながら、シュートは1本しか打てていない」と課題を指摘した。その言葉通り、立ち上がりからボールを保持して攻め込みながら、シュートは22分のFW木村勇大のヘディングだけ。この決定機はGK村上昌謙の好プレーに阻まれた。長谷部茂利監督も「前半はだいぶ攻め込まれたが、耐えたのは良かった」と選手の健闘を称えた。そして後半開始から長谷部監督は2シーズン前に東京Vから移籍したMF佐藤凌我を左サイドに投入する。昨シーズンのルヴァン杯準々決勝で負った全治8ヶ月の重傷からの復帰戦でもある。「(佐藤を)後半に入れて決定機はあったと思う。どんな形でもそれを期待していたので残念」と長谷部監督が振り返ったように、東京Vを押し込む時間が続くと14分には紺野和也の右足クロスにゴール中央でフリーとなって合わせたものの、シュートは空振り。試合勘が戻っていなかったのかも知れない。そんな後半を城福監督は「立ち上がり20分押し込まれたのは良くない。20分も押し込まれれば疲弊する」と自戒した。
実際、後半の決定機は福岡が2回。東京Vは後半アディショナルタイム45+5分にカウンターからMFチアゴ・アウベスがGKと1対1になったが、シュートはGK村上にクリアされ、ボールが福岡ゴールに向かってを転々とするところ、DFにクリアされてタイムアップ。ただ、後半は佐藤に続きFWウェリントンやMF金森健志、平塚悠史ら次々と交代選手を送り込んで交代枠をフル活用してゴールを狙った福岡に対し、東京Vの交代選手は3名にとどまった。
城福監督は「J1は最後の15分で出てくる選手の力はJ2と違う。川崎やFC東京と対等にやるには成長するしかない。ベンチも成長しないといけない」と現有戦力の底上げの必要性を口にした。いましばらくは“ガマン”の試合が続くかもしれない。
六川亨(ろくかわ・とおる)
東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。