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【六川亨の視点】2022年7月17日J1リーグ第22節 FC東京vsジュビロ磐田

J1リーグ第22節 FC東京2(2-0)0磐田
18:03キックオフ 味の素スタジアム 入場者数18,212人
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1週間前の浦和レッズ戦はいいところなく0-3で敗れたFC東京。しかしジュビロ磐田戦の前半は小気味よくパスをつないで最下位チームを翻弄した。4試合ぶりに復帰した安部柊斗と松木玖生のMF2人が攻守に強度の高さを発揮してボールを奪えば、1トップのレアンドロがミドルサードに下がってゲームメイクに参加。そして紺野和也と渡邊凌磨のサイドアタッカーも攻守に上下動を繰り返した。

ただし、FC東京がジュビロ磐田を圧倒したのには別の理由もある。FC東京の選手がパスを受けるためにポジションを移動しても、ジュビロ磐田の選手はマンマークでつこうとしない。さながらゾーンで守っているかのように、自分のスタートポジションにいるだけ。これでは簡単にパスを回されるし、守備は後手に回るのも当然だった。

伊藤彰監督は「切替えの部分、試合の入りにちょっと気の緩みがあった」と苦言を呈したが、さらに痛かったのが、あまりに早すぎる2失点だった。開始4分、左FKのクリアが右に浮いたところ、GK三浦龍輝のジャンプより一瞬早く飛んだCB木本恭生が、パンチングする前にヘッドで先制点を流し込んだ。さらに14分、プレスを受けたGK三浦のキックはペナルティーエリアのすぐ外にいた渡邊へのプレゼントボール。渡邊はドリブルでペナルティーエリアに突進すると、左足シュートでGKの股間を抜いて追加点を決めた。

GK三浦は昨シーズンにレギュラーに定着し、磐田のJ1昇格に貢献したが、この日は運にも見離された、いわゆる「ノット・ヒズ・デー」だったようだ。

後半は伊藤監督の積極的な選手交代で試合の主導権を握ったジュビロ磐田だったが、FC東京は2点のリードがあるため守備を固めての明らかなカウンター狙い。それはそれでセオリー通りで、FC東京が前半の2点を手堅く守って逃げ切った試合だった。

 

 

 

六川亨(ろくかわ・とおる)

東京都板橋区出身。月刊、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任し、W杯、EURO、南米選手権、五輪を取材。2010年にフリーとなり超ワールドサッカーでコラムを長年執筆中。「ストライカー特別講座」(東邦出版)など著書多数。