【Jリーグ】岡山・木村正明さんの招聘について「クラブの経営経験が豊富な方で、マーケティングや事業領域の見識のある方をずっと探していました(Jリーグ・村井チェアマン)」
岡山・木村正明さんの招聘について「クラブの経営経験が豊富な方で、マーケティングや事業領域の見識のある方をずっと探していました(Jリーグ・村井チェアマン)」~2月のリーグの理事会より(1)~(『Jウォッチャー ~日本サッカー深読みマガジン~』)
2月27日、JFAハウスにて2月のリーグの理事会が行われた。理事会後に記者会見が行われ、Jリーグ村井満チェアマンから決議事項・報告事項が発表された。
今回は理事会後の会見に出席した出席者のコメントをお届けしています。
○村井満チェアマン
「Jリーグは今年、25周年の節目の年となります。先日開幕しましたが、平日の金曜開幕は過去になかったわけですが、今回一つのチャレンジではありましたが、クラブの協力やリーグスタッフの努力で開幕することができました。そうした中で、2018シーズンからの新たな理事職・幹事職、役員のラインナップについて(3月27日に開催される)社員総会で起案する内容について議論しました。
私の方から説明させていただきます。私と原がチェアマンと副理事長として留任しますが、今回専務理事としてファジアーノ岡山から木村正明さんをお呼びすることにしております。
関連リリース
https://www.jleague.jp/release/post-52692/
役職/氏名/年齢/所属
【新任】専務理事(常勤)/木村正明(きむら まさあき)/49歳/株式会社ファジアーノ岡山スポーツクラブ 代表取締役
木村さんに関して改めて申し上げるまでもありませんが、今のファジアーノ岡山をゼロから立ち上げられました。いわゆる地域リーグから立ち上げて2009年にJリーグに入会してから、地域クラブの模範となるクラブを立ち上げてきました。Jリーグでは例年スタジアム観戦者調査を行っていますが、その中でJ1・J2を対象に来場者顧客満足度を「総合満足度調査」としてランキングを出しています。ファジアーノ岡山は2015年以外の2011年から17年までの7年間のうち6年間で第1位になっています。お客様に対するサービス、お客様の満足度をゼロから築いた方です。かつてJリーグには中野幸夫さんが専務にいらっしゃった後、いわゆるクラブの経営経験の豊富な方が常勤理事ではいませんでした。クラブの経営手腕をお持ちである方、そして、元常務理事の中西大介さんが退任したあと、マーケティングや事業領域の見識のある方をずっと探しておりました。そういう意味では、今回特にBtoBとかBtoCという言葉がありますが、個人顧客に対する事業活動のみならずBtoBでもずっとディスカッションをしてきていますが大変見識の深い方です。これらの点から彼を専務理事に招聘することになりました。クラブの社長を退任され、筆頭株主の立場は降りるべく、株式譲渡の申請が理事会に上がると思います。筆頭株主も社長も降りて、Jリーグに身を投じていただけることとなりました。
旧職/氏名/所属
理事(常勤)/木下 由美子(きのした ゆみこ)/公益社団法人 日本プロサッカーリーグ 理事
それから木下理事には2年間、常勤理事として貢献していただきました。彼女はアメリカでの生活が十数年におよび、バイリンガルどころか本当にネイティブな能力を持っておます。いわゆる国際間の外交や連携強化のための交渉が木下理事の天職だと思っておりました。そのあたりを本人と話をして、チェアマンの全権大使ということで、主にアジア提携9カ国で―タイやベトナムなどでは関係が構築され始めていますが、他の国々に関してはマンパワーが追いつかずに関係性を深めることができずにいます―そうした意味でも、アジア提携9カ国の各国協会やリーグのトップと日本との橋渡しを彼女にお願いすることで合意しております。業務の性格上、海外を飛び回る生活となりますので、理事ではなくて、本人とのプロフェッショナル契約を踏まえて、いわゆる全権大使として今後のアジアの海外戦略の中核を担う実働部隊として貢献をいただくことになりました。
また、Jリーグは理念の3番目には国際交流とか国際親善を掲げています。先般、バヌアツなどサッカーの発展途上地域にユニフォームを届けたり、マーケティングの面に寄りがちなアジア外交ですが、今後は社会貢献も含めて彼女の役割と考えております。
ということで、今回米田惠美さんを常勤の理事として迎えます。
【新任】理事(常勤)/米田惠美(よねだ えみ)/34/公益社団法人 日本プロサッカーリーグ フェロー/米田公認会計士事務所 所長/株式会社知惠屋 取締役副社長
慶応義塾大学在学中に公認会計士資格を取得されています。卒業前に新日本監査法人(現新日本有限責任監査法人)に入られています。卒業後も新日本で活躍されました。数多くいる若手の会計士の教育指導係も担われてこられました。会計のプロでありながら、自ら発達心理学や人間の成長を深く掘り下げていて、保育士の資格を取られたり、それから組織と働く人の関係をもっともっとよくしていくために、2014年株式会社知惠屋という会社を共同設立されています。
実は、昨年4月からJリーグではフェロー契約をお願いしていました。その後(Jリーグが)、大きな激動に見舞われたこともある中で、Jリーグの風土改革や職場の健全化とか、例えば経営やチェアマンの意思決定が適切に行われているか、またそれらがしっかりと実現に至っているかどうかまでPDCAを回しているかという、外からの視点で私自身を相当ストレッチしてくれました。年齢は非常に若いのですが、(Jリーグの)18名の本部長・役員といった役員を毎週2時間集めて、叱咤激励していくセッションを20回以上を重ねていますが、そこをファシリテーションまでしているのが彼女でした。実際に一緒に仕事をしてみて、その能力とか見識を評価しています。性別や年齢とか関係なく、実力本位で今回起用したつもりです。
主に(常務理事の)4名の役割分担で言うと、原(副理事長)ががフットボール領域を担当します。まだまだフットボール先進国の競技レベルと比べて十分ではありませんので、育成を含めた日本のサッカー界の発展に対して、引き続き原さんがが指揮を執ります。米田さんは、社会とJリーグの連係強化を担っていただきます。Jリーグは理念に地域密着を掲げて25年やってきましたが、もう一歩深めて地域社会の課題をJリーグがどう一緒に向き合って解決していくというところまで、具体的なアクションプランを描いていただきます。フットボールと社会連携という両輪を回すことを成功させるには、ある一定程度の財務や事業的な裏付けが必要になります。ここを木村さんが担当していただくという状況になっています。
(2)へ続く
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