J論 by タグマ!

【田村修一の視点】2022年3月29日 ワールドカップアジア最終予選 日本代表vsベトナム代表

FIFAワールドカップアジア最終予選第10節 日本代表1(0-1)1ベトナム代表
19:35キックオフ 埼玉スタジアム2○○2 入場者44,600人
試合データリンクはこちら

 

日本の欠点と課題、ワールドカップ本大会に向けて何をどうしたらいいかが浮き彫りになったという意味では、5日前のオーストラリア戦以上に興味深い試合だった。予選を通して出来あがったチームの骨格は、オーストラリア戦のスタメンとサブにプラスアルファ(大迫勇也と酒井宏樹)である。だが、それだけではワールドカップは戦えない。ベスト8を狙うのであれば、同じクオリティをピッチ上で体現できる23人のグループであることが望ましい。ところがオーストラリア戦からスタメン9人を替えたベトナム戦の先発メンバーのパフォーマンスは、オーストラリア戦のレベルからはほど遠かった。明らかになったのは、実質的な総入れ替えではプレーのレベルを維持できないこと。これは選手の能力の問題ではない。プレー時間の欠如、経験の積み上げの欠如の問題である。ただ、そこを踏まえたうえで、個のパフォーマンスにも問題があった。幾人かの選手(柴崎岳や久保建英、上田綺世など)は、代表グループの当確線上の内容だった。これ以上は語れないが、4対0で勝つ以上に意味のある試合であったのは間違いない。

 

 

田村修一(たむら・しゅういち)
1958年千葉県千葉市生まれ。早稲田大学院経済学研究科博士課程中退。1995年からフランス・フットボール誌通信員、2007年から同誌バロンドール選考(投票)委員。現在は中国・体育週報アジア最優秀選手賞投票委員も務める。