浦和レッズ 試合後の選手コメント特別版『僕は未来を見たい。いまを大切にしたい。』(鈴木啓太)【浦和対神戸】
2015 11/23 12:27
2015年11月22日(日)13:34KICKOFF/埼玉スタジアム2002/52,133人
浦和 5-2 神戸
得点者:2' 武藤 雄樹(浦和)/9' 李 忠成(浦和)/13' 柏木 陽介(浦和)/26' 石津 大介(神戸)/65' 森岡 亮太(神戸)/77' 青木 拓矢(浦和)/84' 梅崎 司(浦和)/
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■MF 13 鈴木 啓太(浦和)
「自分の好きなスタジアムで(現役引退を)発表できたことは、僕のわがままだったけど、本当にありがたいことだった」
Q:これから一番良い思い出を作りたいというお話がありました。チームはこれからチャンピオンシップを控えていますし、天皇杯もあります。2つタイトルを獲るチャンスがあります。
「みんなのチャンピオンシップや天皇杯で勝ちたいという思い、その気持ちを持って、1日のオフをリラックスして過ごし、次の戦いに挑みたいと思う」
Q:今日11月22日は『いい夫婦の日』ということで奥様への感謝の気持ちをお願いします。
「それは直接言いますけど......、それは冗談です(笑)。僕が難しいタイプの選手でいろいろなサポートをしてもらったし、たいへんな思いをしていると思うけど、引退する話をしたときに僕の判断がそうなのであれば応援してくれると言ってくれてありがたかった。一人の人間として、家族がいて、父親として、父親としての仕事を見せてきたし、これから新たな人生を歩むけど、新しい自分を見せていきたいと思うので、よろしくお願いしますと伝えたいですね」
Q:率直なところ、いまの心境はいかがでしょうか?
「勝って良かった」
Q:実際にセレモニーに参加した時間はどんな時間だったのでしょうか?
「自分の置かれた環境を見つめ直す時間だったし、ただただ感謝しかなかった。感謝の気持ちをこの試合に向けてチームとして良い準備をしたかったとずっと思っていたし、しっかり話そうという気持ちもあったけど、基本は試合に勝つだけという思いだった。僕が出る準備をして出てきたら、歓声がわいたのでビックリした。3-0になってからああなるのはよくあるシチュエーションだったし、とにかくチームとして90分を終えたときに勝っていることが大事だと思っている。出番があるないにかかわらず、ベンチに入ったときは出られる準備をしているつもりだから特別な感情はなかった」
Q:いつ現役を引退しようと決断されたのでしょうか。
「引退をするのか、オファーをいただいているチームに行くのか。迷っていたところはあったし、実際は自分自身としてサッカーを続けられるのではという思いもあったことは事実。その中で退団するということを発表した。みなさんのメッセージがある中で、このチームが大好きで、このチーム以上の思いを持つチームには出会えないだろうし、それはサッカーが続けられるとしても本当に正しいのかどうか、僕の今までのやり方や進んで来た道とは違うと考えていく中で、現役を引退するという決断に次第に固まっていった。それが僕からお話できる部分。(最終的に)ここ1カ月ぐらいの間に決めた」
Q:周囲には伝えてあったのですか?
「いや近しい人には伝えてあった。みなさん(メディア)を前に言うのはおかしいけど、情報は出回ってしまうので、僕は自分の口で伝えたいという思いがあった。そして最終節、話す機会があるということで、そこでまずはお世話になった方やサポーター、スタッフの方に自分の言葉で自分の口で(現役引退を)伝えさせてもらった。みなさんには申し訳ないけど、そうなりました」
Q:那須選手、阿部選手、同じ歳の選手が花束を贈呈してくれました。
「あの二人が並んでこっちに来るのは変な光景だったけど、手ぐらいつないで来てくれれば良かったなと(笑)。すごく同じ時間を共有してきた仲間だし、同じチームでもあった。プロに入る前から知っている仲でもある。そんな彼らよりも先にピッチを去るのはライバルとしてちょっと悔しい気持ちもあるけど、彼らにはこの先も頑張ってもらいたい。花束をもらうときに『1月1日まであるからね』という話をした。それが実現できるように、(オフ明けの)明後日から頑張りたいと思う」
Q:セレモニーが始まるときに、サポーターが掲げたビッグフラッグのユニフォームは初期のもの(浦和に入ったころのもの)だったかと思います。どんなメッセージ性が込められていたと思いますか?
「分からないけど、ただただ感動したし、やけに古いタイプのユニフォームだなと思った。昔を思い出しました。丸刈り頭だったころのことを。そのときに着ていたユニフォームだったかと。(どんなメッセージが込められていたかは)家に帰ってから考えたいと思う(笑)」
Q:胴上げは13回でした。
「背番号の回数だと言われたときに『それは長いな』と思ったし、下で頑張ってくれている選手たちから『まだ?(終わらないの?)』という声が聞こえてきた。『もうちょっと頑張れ!』とみんなで声をかけながらやってくれました。胴上げって、あんな気分なんだなと思った。だからこそミシャを胴上げしたいし、チャンピオンシップで優勝してもう一度胴上げをしてもらいたい」
Q:やはり一番思い出すのは、契約のときの話でしょうか。
「僕みたいな下手な選手が浦和レッズと契約してもらえたことは奇跡に近いというか、よく僕のような選手を拾ってくれたなと思うし、本当に僕のレッズとしての人生が始まって、良いことも悪いこともあったけど、すべてはそこから始まったという事実がある。そういえば静岡のあのホテルで......という思いが引退を決断してから込み上げてきた。僕は良いプレーをしてきたとは思わないけど、一つ言えることはチームのために、勝利のために、仲間のために全力で走ってきたし、自分の中でここは負けないと、下手だけどそこは負けないとずっとやってきたこと。それが良かったのかなと。歴代の監督がそれを理解してくれて、周りにうまい選手がいて、僕が生きたのかなと思う。本当に良い時代というか、自分にマッチした時代にサッカー選手になれて運があるなといまは思う」
Q:一つには絞れないと思いますが、印象に残っていることは?
「過去は過去だし、思い出は思い出としてあるにはあるけど、僕は(印象に残っていることが)今日の試合と言いたいし、これからチャンピオンシップ、天皇杯とあるので、いま何を感じるかは過去、これまで何を積み重ねてきたのか、ということ。今日、この瞬間を勝利で終えて、セレモニーを終えて、サポーターに来てもらって、メディアのみなさんに取材をしてもらって......。僕はこれから先も過去で生きると、いつまでもサッカー選手になってしまうので、僕は未来を見たい。いまを大切にしたい。今日、こうやって笑顔で話せていることは僕にとって幸せな時間です」
Q:鈴木啓太選手にとって、浦和レッズサポーターとはどんな存在でしょうか?
「一言では言えないけど......。サポーターの存在は家族であったり、ときどき監督だったり、ときどきすごく褒めてくれる親戚のおじさんのような、いろいろな顔があるけれども、目的や目指すところは一緒である仲間というか、そういう存在。このチームはサポーターなしでは語れないと思うし、僕のサッカー人生もサポーターとのことがなければ語れない。選手を強くしてくれる存在だと思うので、これからもレッズの選手を厳しくサポートしてもらいたいと思う」
Q:拡声器でサポーターに向かって、どんな言葉をかけたのですか?
「今までなかなかいつもありがとうございましたとか、丁寧な感じでしか話せなかったけど、一言だけ言わせてくれと、『お前ら、最高だ!』と。ちょっと上から目線だったけど、いつも上から目線で言われているので(笑)」
Q:長い時間、ゴール裏を見つめている時間がありましたが、そのときはどんなことを考えながら見つめていたのでしょうか?
「ただただ良い景色だなと。選手としてリーグ戦ではあの場所から見る機会はないのかなと思うと寂しかった。真っ赤に染まった景色を見て、こういう気持ちになれるのは、レッズの選手だけなのかなと思うと幸せだなと思っていた」
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