ペトロヴィッチ監督(浦和)会見『たくさんのサポーターが最後までわれわれのチームを後押ししてくれた』 J1【浦和対神戸】
2015 11/23 06:49
2015年11月22日(日)13:34KICKOFF/埼玉スタジアム2002/52,133人
浦和 5-2 神戸
得点者:2' 武藤 雄樹(浦和)/9' 李 忠成(浦和)/13' 柏木 陽介(浦和)/26' 石津 大介(神戸)/65' 森岡 亮太(神戸)/77' 青木 拓矢(浦和)/84' 梅崎 司(浦和)/
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○ペトロヴィッチ監督
「最終節をホームで戦うというのは、これまでの結果を見れば、チームにとって苦手な試合だったと思っていた。2年前もそうだし、昨季に関しては特にわれわれにとって痛い敗戦だったと思う。最終節、リーグ優勝のチャンスがある中で、72分までは名古屋をリードしていた。ガンバが徳島と0-0で引き分けていたという結果を見れば、そのままいけば優勝できたという試合だった。最終的には1-2で敗れ、非常に悔しい、残念な結果となった。その過去を持っての今日の試合だった。今日の神戸戦を試合後に評価するのであれば、ハーフタイムで分けられた前半と後半というよりは、チームの評価は3つに分けられるのではないかと思う。立ち上がりから最初の30分は、非常に良い出来だった。選手たちは強いモチベーションを持って試合に入ってくれたと思いし、われわれの良い部分が出た30分だった。その中で3-0でリードすることができた上に、それ以外にも得点になってもおかしくないシーンは作れていたと思う。その後、1点を返されて、チームが少し不安定な状態でゲームが進んでしまった。後半に入っても、自分たちの良い部分が出せないまま時間が経過していく中で、ああいう形で失点し、3-2になってしまった。ただ、その後の残り30分は、再び自分たちのサッカーを取り戻して戦えたと思う。そう考えれば、今日の試合では60分、自分たちの良い部分が出た戦いだったと思う。ただ、間の30分は決して良い戦いではなかった。今後の戦いを考えたとき、その真ん中の部分で、自分たちの戦い、しっかりとオーガナイズした戦い方ができないようでは困ると思う。今日のスタジアムの雰囲気は、本当に素晴らしかったと思う。たくさんのサポーターが最後までわれわれのチームを後押ししてくれた。今日のゲームでは両チームを合わせて7点が入ったが、得点以外にも良い攻撃の形が見られた試合だったと思う。見に来てくれた方が、満足できる試合だったのではないだろうか」
Q:年間王者になるためにはあと3試合あるが、それに向けて、今日の試合でプラスになったこと、修正しなければいけないことは?
「今日のゲームに関しては、私は非常にチームの戦いを評価しているし、ポジティブに捉えている。なぜなら、森脇選手、那須選手、興梠選手という非常に重要な選手がけがで出場できないということ、そして、西川選手、槙野選手、柏木選手、ズラタン選手と、代表から帰ってきてから、非常に短い時間で準備をしなければいけないという中での試合だったからだ。その中で、彼らが見せてくれたパフォーマンスは、非常に評価していいと思うし、その中でもしっかりと勝利できたことは、私自身はポジティブに捉えている。今日のゲーム、もしわれわれのチームの全員が良いコンディションで臨めていれば、試合の中での交代で、今日のわれわれがうまくいかなかった30分もうまく修正できていたと思う。われわれの速いテンポのサッカーは、久しぶりに出る選手にとっては、どれだけ持つか、という部分がある。私自身も、交代のカードを切るのが非常に難しい状況だった。1試合を通じて同じテンポで、自分たちのサッカーをやり切るのは、どこのチームでも難しいものだ。ただ、自分たちが良い状態で試合に臨むことができれば、その時間は自分たちにとって長くできるだろう。その意味でも、今後の戦いに向けて、いかに自分たちの状態を良くして臨んでいくか、ということだと思う」
Q:リーグの中で、レッズ、ガンバ、広島は攻守にバランスが取れているチームであり、チャンピオンシップの試合はすごく高い次元で戦うことになると思いますが?
「3チームとも非常に良いチームです。ただ、3チームのうち、私は1チームだけ、少し違うと思う。それはわれわれだ。われわれは常に、自分たちが主導権を握って攻撃をしかけ、相手を打ち負かしていくという戦い方をしている。ただ、ガンバと広島はまずは守備から入るチーム。しっかりと守って、カウンターをしかけていくのは、広島もガンバもそうだと思う。広島は非常に我慢ができるチームで、そこからカウンターを狙ってくる。ガンバも守備から入り、奪ってから、パトリックの強さとスピードを生かしていく、守備からカウンターを狙うチームだ。われわれはその3チームの中では違う種類のチームだ。過去の試合を振り返ってみれば、その2チームとの対戦において、われわれは2点、3点、4点と取れていてもおかしくないシーンを十分に作れていた。ただ、チャンスを得点にできる割合が悪かったために、ロースコアのゲームとなり、相手に速攻で得点を許して、引き分け、負けという結果に終わったことが多かったのが過去のゲームだ。われわれが試合の中で作れている決定機をしっかりとモノにして、2点、3点、4点とリードできていれば、もちろん、試合の結果は違っただろう。ただ、そういう形で負けてしまうと、相手は『自分たちが狙いどおりに守備からのカウンターで得点して勝った』と思うだろう。しかし、われわれがそれ以前にしっかりと相手のゲームプランを崩せていれば、われわれが勝利できるゲームだった。それが過去の試合の分析である。ガンバは非常に素晴らしいチームで、私も大きなリスペクトを持っている。ベテランと若手がうまくかみ合った、素晴らしい、まとまったチームだ。サッカーはやはり、運も必要なスポーツであるのは確か。私はガンバは運のあるチームだと思う。昨季ホームで、ガンバはわれわれに勝利し、次節にわれわれが鳥栖に94分で同点に追い付つかれ、最終節でガンバは引き分けに終わったが、われわれが名古屋に負けて、ガンバが優勝した。われわれにとっては、自分たちで結果が出せなかった最後の3試合だったが、ガンバにとっては、われわれが崩れたおかげでつかみ取ったチャンピオンであるとすれば、ガンバは運があるという見方もできるだろう。今季もFC東京が鳥栖と引き分けたことで、ガンバは3位を勝ち取った。この状況で、FC東京がホームで鳥栖と引き分けるというのは、私は少ない可能性だったと思う。トラパットーニが『マティアス・ザマーが監督として成功するためには何が必要か』というメディアの質問に対してザマーに送った言葉には『一人の監督が成功するには、運も必要だ』ということがあった。私はガンバには非常にリスペクトを持っているが、恐れる気持ちはない。恐れる気持ちがあるとすれば、その運の部分かもしれない。運は時として、どちらに付くか、分からない。そろそろ、われわれのほうに付いてもおかしくない時期だろう。私自身、昨季からの流れを分析しているし、みなさんも同じように、時間を追うごとに、いろいろなことを見て、分析しながら進んでいると思う。チャンピオンシップは非常に難しいゲームになると思う。ただ、過去にはいろいろなチームがリーグ優勝をしたと思うが、埼玉スタジアムで優勝する雰囲気は、埼玉スタジアムでしか作れないものがあるはず。日本のどこを探しても、ここにしかない雰囲気があるはずだ。その中で勝利するために、われわれはとにかく、全力で戦う。この雰囲気を作り出す、浦和レッズのサポーターのために、われわれは最後の力の一滴まで振り絞って、全力で戦わなければいけない。そして、われわれのチームは、それを必ず実現させてくれるはずだ。これでクラブ史上、最もポイントを取ったシーズンと、同じポイントになった。2006年、浦和レッズがリーグ優勝をした年が72ポイントだったと思うが、今シーズンのわれわれも、72ポイントを取れた。今季、4敗しかしなかったのは、選手たちが非常に頑張ってくれたからだと思う。ただ、今季のルールを考えれば、残念ながらここまでの結果はここでの結果でしかない。今年のルールは最終的にチャンピオンシップで勝ったチームがすべての称賛を得られるルール。サッカーは非常に難しい仕事だと思うが、今年のルールはそういうことであり、これからが本当の戦い。ではまた、土曜日にお会いしましょう」
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