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【徹マガ】中村慎太郎 Jリーグ百年構想の向こう側へ vol.4 対談いぬゆな氏「Jリーグよ、俺たち色に染まれ!」

2016 04/18  10:14

有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されているJリーグクラブ有料記事を全文掲載させていただいておりますこの企画。
今回は宇都宮徹壱公式メールマガジン「徹マガ」から対談になります。




中村慎太郎 Jリーグ百年構想の向こう側へ vol.4 対談いぬゆな氏「Jリーグよ、俺たち色に染まれ!」徹マガ
2016年04月06日更新

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 早いものである。月1で徹マガに寄稿しているこの連載はもう4回目となった。正直に言うと行き当たりばったりで始めた感はあったのだが、読者の皆様から頂いた多くの反響から刺激を受け、少し前には思ってもみなかったことを考え始めている自分がいる。読者の皆様に深く感謝しつつ、少しでもJリーグと日本におけるサッカー文化の進展に貢献できるよう努力する次第である。

 さて、前回までの展開を簡単に整理するところから始めたい。

 ぼくは、Jリーグと各クラブのサポーターの間に摩擦が生じていること、その原因が「対話不足」であることを指摘した。そして、そのような状態では、サッカーは文化として日本に根付いていかないのではないかという懸念を示した。

 対話が不足しているなら対話をすればいい。非常にシンプルな問題である。しかし、これまでリーグと各クラブのサポーターが対話したことは知りうる限りはなく、ノウハウが存在していないようだ。そういう意味では複雑でややこしい問題のようにも思える。

 そして、この問題に立ち向かう際に、ぼく一人では知識、経験などに不足を感じたため、犬の友人「いぬゆな氏」(ジェフ千葉サポーター)にご助力を願い、対談を行ったのが1つ前の回である。

 前回の対談において、我々の周辺のサポーターからJリーグに対するご意見を募集したところ、熱のあるご意見を多数寄せて頂いた。今回は、皆様のご意見を出来るだけ紹介しながら対談を進めていこうと思う。

■サポーターって何なんだろう?

中村 どうもどうも、今回もよろしくお願いします。

いぬゆな どうもどうも、よろしくお願いします。

中村 頂いた意見をある程度まとめて、Jリーグへの提議・提案を行いたいと思います。ひとつひとつ見ていく前に、前回の反響をお聞きしたいと思います。どうでした?

いぬゆな うーん、まぁぼちぼちですかね。(村井満)チェアマンに対する単なる誹謗中傷みたいのが来るかと思ったのですが、そういうのはなかったですね。

中村 ああいうのは便所の落書きみたいなものですからね。ちゃんとした意見を募集すると、やはり熱のあるしっかりとしたものが集まりますね。

いぬゆな そうですね。そういう(誹謗中傷する)人たちは、僕の遊び相手なのでちょっと残念でした(笑)。

※ここまで話したところで、いぬゆな氏は唐突に押し黙って周囲を見渡しはじめた。我々は庶民と学生のパラダイス「サイゼリア」の一席に座っている。いぬゆな氏は、耳を澄ませて周囲の会話に耳を澄ませているようであった。

中村 え? どうしました?

いぬゆな まぁ、わかってたんですけど、聞こえないですね。

中村 聞こえない? 何がですか?

いぬゆな このサイゼリアには若い人を中心にたくさんの人が集まっているのに、Jリーグの話をしている人がいませんね。

中村 あー、なるほど。ぼくもそういう気持ちになることが時々あります。松本のレストランでは、隣の人が松本山雅の話をしているなんてことが何度かありましたけど、東京にいてJリーグの香りを感じることは滅多にないですよね。

いぬゆな やっぱり若い人も、老人も、みんなJリーグの話をしていてほしいんですよね。世代を超えた共通言語になってほしい。

中村 その通り! ぼくも全く同じことを考えていて、今それ、とある原稿に書いていたところなんですよ。それが、サッカーが文化として根付いた状態ですよね。そういえば、同じ保育園のママさんが実は千葉サポと発覚したのですが、「世界三大カップ戦とりましたね! おめでとうございます!」と唐突に言ったら大喜びしてましたよ(笑)こういう交流が増えてくると楽しくなっていきますね。

いぬゆな それは嬉しい話ですね!

※世界三大カップ戦:ワールドカップ、チャンピオンズリーグ、ちばぎんカップのこと。千葉県を中心にJリーグ界隈で使われている言葉。

※ちばぎんカップ:プレシーズンに行われる柏レイソルとジェフ千葉の試合。2016年は3-0でジェフ千葉が勝利。

中村 ということで、ぼちぼち本論に入りましょう。いや、その前に、サポーターってなんだろうってところがですね......

いぬゆな そこですよね! 定義が決まっていないから、みんな「俺が名乗ったらサポーター」としか言いようがないんですよ。ぼくは、サポーターを細分化して定義づけていくべきだと思っています。現状だとコアサポとそれ以外という分け方が一般的ですけど、それだけでは割り切れないものがあります。

中村 なかなかしんどい作業で、山ほどクレームが来そうですが、サポーターの定義は非常に重要な作業だと思うので、やるべきかもしれませんね。結論は出なくても議論する分にはいいのかな、と。まぁ今やりだすとそれだけで今日が終わってしまうので、それはまた次の企画でやりましょう!

いぬゆな 是非!

中村 そういえば、サポーターとは何だろうかというテーマを考える上で、興味深いお便りを頂いていますよ。ここで紹介してもいいかわからないので名前は伏せますが、とある選手の「広報」のボランティア活動をしていた方からです。連載の第1回に対して寄せて頂いたものなのですが、正直言って驚きました。

いぬゆな それは面白いですね。そういうサポーター活動があるとは思わなかった。

中村 試合のときに大声を出して選手を鼓舞するというのもサポーター活動ですが、それが全てではないということですね。試合中は騒ぎたい人は騒げばいいし、ゆっくり落ちついて見たい人は見ればいい。ぼくはそう思うようになりました。大声を出し、見かけ上必死に応援していた人だけが真のサポーターだ、というような考えの人もいますけどね。

いぬゆな 個人広報の話を聞いて思ったのですが、Jリーグでは選手のセカンドキャリアを考えることが今重要な課題になっています。元選手とビジネスを繋げることも、ある種のサポート活動だし、非常に役に立つものではないかなと思っています。

中村 そうですね。元代表選手などを除いた一般的なJリーガーの場合、サポーター界隈では絶大な人気と知名度を誇りますが、世間一般においてはどうしてもインパクトが小さいですからね。インパクトが大きいところに繋いでいけると、みんな幸せになれる可能性はありますね。

いぬゆな 元選手がしているビジネスには興味を持つサポーターもいると思うんですよね。

中村 J's Goalに選手の就職活動するページがあっても面白いかもしれないなぁ。Jリーガーの箔が落ちる、みっともない、なんて考え方もあるかもしれないけど。今の時代は、ネット上で話題になることが正義ですからね。

いぬゆな 単なる就職活動ではなくてですね、元Jリーガーがセカンドキャリアを探していくドキュメンタリーを記事にしていくと面白いと思うのですよね。

中村 そして、その記事作成依頼がぼくのところに来れば、ぼくの生活も少し安定するかも......。

いぬゆな 頑張ってください(笑)

■「ちょっとピンとこない」今のJ's Goal

中村 ぼくの仕事が増えるかは別として、元選手の就職体験記みたいなものがJ's Goalの企画であると面白いかもしれませんね。

いぬゆな J's Goalといえば、リニューアルしてからもう半年くらい経つのにまだベータ版で、コンテンツの増え方が昔の量に戻りませんね......。個性的な企画を待ってるんですけど。

中村 前回の対談で最もクリティカルだったのが、J's Goalの意義の再発見と言語化だったと思います。Jリーグ界におけるサポーターの家であったはずのJ's Goalが、ある日突然取り壊されたことで、リーグとサポーターの摩擦は加速していったという仮説ですね。今回の対談と皆様の反響を踏まえた上で、Jリーグに取材申請を出してみるというのが企画の意図でしたが、その柱としてJ's Goalの今後をどうするかを我々で提案してみるというのも面白いかな、と。

いぬゆな ちょっと現状を見てみましょうか(とスマートフォンを取り出す)。久々に見ましたけど、やっぱり公式サイトみたいで面白くないですね。Jリーグとサポーターの距離を縮めるどころか、問い合わせ先すらないですね。あー、一応あるけど、Jリーグの公式サイトへのリンクですね。

中村 なるほど。サポーターとしては、この投稿フォームに率直な意見を書いても相手にされないだろうと感じてしまうし、これなら直接電話でもしたほうがマシかもしれないですね(笑)。J's Goalの紹介文には、暫定的なものでしょうが、こう書いてあります。

J's Goalとは

いつでも、どこでも、誰でも、もっともっとJリーグ!

Jリーグ公認ファンサイトJ's GOALは、スタジアム TVだけではなく、もっとJリーグを身近に感じて頂くために、ウェブサービスを通じてJリーグの情報を提供するサービスです。

試合写真や記事、全クラブからのリリース等を掲載しています。

また、クラブからの依頼により告知写真や記事も掲載しております



中村 うーむ。間違ってはいないと思いますが、ちょっとピンとこないですね。Jリーグ側としても、J's Goalをどうしていくかについては判断が出来ないのかもしれないですね。サポーターに対して過剰に権限を与えると、後で取り返しのつかないことになるかもしれないし、かといってサポーターの神経を逆なでするようなコンテンツを作ってしまうと激しく炎上してしまう。あんまり酷く炎上したらスポンサーやら関係者に説明しなくちゃいけないだろうし、余計な会議がいくつか増えるかもしれない(笑)。

いぬゆな そうですね。中の人も仕事だから危ないことはしたくないですよね(笑)。

中村 J's Goalが炎上しないようにするには、炎上させる側の人の意見を聞いてみないことにはどうにもならないと思います。そうしない限り、デッドエンド! 行き止まりです。サポーター側に「炎上させるな! リテラシーを守れ!」と求めることもある程度は出来ますが、怒っている人に「怒るな!」と言っても聞いてくれませんからね。なぜ怒るのかを理解した上で、怒らないようにうまくコントロールしてもらわないと。

いぬゆな この本読みました?『スタジアムの感動を! J's GOALの熱き挑戦』という本なのですが、これを読むとJ's Goalの良さがわかりますよ。

中村 そういえば存在は知っていたけど読んでいないですね。必読ですね。早速購入したいと思います。J's Goalに関してはこんなご意見も来ていましたよ。松本在住で、映画『クラシコ』にもほんのり出てくるスミヤマさん。連載1回目で「サポーターが拗ねている状態ではないか」という推論をしたことを受けての投稿です。

えーと"拗ねている"ことを全国的にばらされてしまったスミヤマです。拗ねているのは確かなので否定はしません懲りずにまたいっちょかませていただきます(笑)

(中略)

全部が全部「Jリーグがわるいんや!」ってつもりはさらさらありませんがありませんが、ただいぬゆなさんとの議題としてあがっていた「J's Goal問題」では相当に怒りと悲しみを感じてモチベーションが下がったのは確かで、それが拗ねてる姿勢に繋がってるかもしれません。

J's Goalの特色としてサポーター主体の記事がありますよね。スタグルであったり当日のイベントの取材や直接レプリカユニフォームを着た家族連れや若い女の娘たちへのインタビュー。それらは樹に例えると幹ではない「枝葉」の部分ですが私たちが一番共感できて見える場所です。

後、「ゲーフラコンテスト企画」みたいなのもありましたね。とにかく全てが下部リーグ時代においては、応援している私たちにとって「ああいうのやりたいね!」「アルウィンあんな風にしたいね!」「あだっちーを生でみたいねぇ(笑)」っていう憧れであり目指すシーンの姿だったのです。

Jリーグに参入かなって仲間たちが写真付きで紹介されたときは本当にうれしかった! これは多分下部リーグから上がったチームのサポーター共通の感想だと思います。

そしてJ's Goal閉鎖、削除で一番がっかりというかショックだったのは「震災復興活動の記録」が一切無くなってしまったことです。5年前、悲しみに沈んだままどうしたらいいのか途方にくれていた時、全国のフットボールファミリーが連携して募金活動やボランティアに参じた。

しかし、「がんばれ日本!」と声をあげたチャリティーマッチの記録もバッサリと消されてしまった。スポーツを観るもの、応援するものとしてだけでなく、あの時社会全体に落とした暗い影を取り払えた、あの素晴らしい活動を。

中村さんがおっしゃるように「積み重ねの先に文化を築く」その芽を予算がないからってポイされちゃったんですよ。参考までに松本でのチャリティ当日の様子を書かれたブログです。

『2011/04/03 東北地方太平洋沖地震復興チャリティーマッチ(対 FC東京) [練習試合]』(空港人の棲家 松本山雅F.C. blog)

一度下された決定を覆して再開されたのであれば、もう二度とあんな愚かなことはしないで欲しいです。世界に誇れる日本のサッカーファミリーの姿をこの先絶対消さないで欲しい!

中国の野心も中東のマネーも、彼らがどれだけ巨大だろうが、私たちの国のリーグは素敵なんですよ! 負けないんですよ! 目先の金で文化を捨てないでいただきたいです。



中村 なんと熱いお便り! 親方かっこいい!

いぬゆな 本当ですね!

中村 こうやって本気でJリーグやJ's Goalと共に生きていたサポーターがいるのに、ある日突然ブチっと断ち切ってしまったら、怒るのが当たり前だし、そりゃ炎上もしますよ。もちろん、サイトを続けて行くにはコストの問題なんかもあったとは思いますけどね。そのへんの裏事情も可能な限り出してもらって、多少は喧嘩もしながらでも、みんなで考えていくべきなんじゃないかと。例えばお金の問題であっても、極端なことを言うと誰か出してくれるかもしれません。クラウドファンディングでもある程度まかなえるかもしれないし。

いぬゆな プロセスが見えることで解決することは多そうですね。

■公式Twitter、配信番組、マスコット総選挙

中村 公式Twitterについてもご意見頂いていますね。



いぬゆな 企業の中の人ツイッターアカウントみたいなものがあるといいのかなと思います。そして、Jリーグのアカウントが、例えば村井チェアマンに「本当はもっとこうして欲しいのよね」なんて文句を言うくらいでいいと思うんですよ。

中村 なるほど。Twitterでの告知は非常に重要であることは当然把握しているとは思うのですが、それもノウハウがないのかもしれませんね。

いぬゆな 動画配信もそうですよ。中村さん、Jリーグの配信番組があるのは知っていますか?

中村 試合のハイライトとかが出てくるやつですか?

いぬゆな それはスカパーですね。Jリーグマネージャーのサトミキさんなどが出てくる映像コンテンツですが、周りで見ている人はほぼいないですね。内容も正直......。

中村 なるほど。今は動画の時代になってきていますからね。ぼくもゲーム関係でYoutuberと呼ばれる方々の動画みますけど、やっぱり面白いですよ。テレビほど質は高くないけど、その分親しみやすいし、いつでも見られるから手軽です。大御所のHIKAKINさんのゲーム動画とか面白いですよ~。広告が異様に多いけど(笑)。

いぬゆな Jリーグ界でも、マックスむらいさんみたいない人を作ればいいのんですけどね。 

※村井智建氏 AppBank株式会社取締役メディア事業部長。Youtubeに投稿されるゲーム番組に出演している

中村 やってやれないことはないでしょうね。Youtuberは結構な稼ぎありますしね。下手したらJクラブでも負けているところがあるかも。さすがにジェフは負けないとして、例えばJ3あたりの某チームあたりはもしかしたら......?

いぬゆな 危険な話題なのでやめましょう(笑)。

中村 Twitterと関連して、マスコット総選挙についての御意見も紹介します。

投票方式はこれまでのようなサイトで行い、Twitter投票に関しては条件を厳しくして不正が起こらないようにした方が良いと思いますし、あとどうしても不利になってしまう地方のクラブのマスコットにも目が行くような、単純な人気投票で終わらないようにして欲しいです。 #犬ハト会議





いぬゆな マスコット選挙自体はとても面白いのでもっと色々やってほしいですね。

中村 ぼくは選挙をぼんやり見ていましたが、あれは毎回基準を変えると面白いかなと思っていました。単に「優れたマスコット」ではなく、今年は「恋人にしたいマスコット」、次の年は「一緒に海に行きたいマスコット」とか。適当ですが(笑)ぽえまいえぬさんが仰るように「地域への貢献」は大きく評価するべきポイントだと思います。

いぬゆな アカデミー賞のように色々な部門を作るほうがいいかもしれませんね。助演男優賞みたいな。鳥部門では誰が一位とか、社会貢献では誰かとか。ちなみに犬のマスコットは今のところ2体です。なので、我々は犬部門では毎回優勝候補になれます(笑)。

中村 あ、それは面白いですね!あと、最下位には罰ゲームをしてもらったほうがいいかもですね。毎回やる気ゼロのあの子に、ホームタウンの駅前を毎朝掃除してもらうようにするとか(笑)

いぬゆな 露出も増えるし、話題にもなりますね。

中村 他にもたくさんご意見を頂いていていますが、残念ながら字数の関係で、ここで打ち切らねばなりません。残りについては、この後も検討して、お互いのブログに掲載するという形がいいかもしれませんね。

いぬゆな 他にはどんなお便りがありましたか?

中村 日程の問題が一番多かったですね。後はJリーググッズのことや、アプリを作ろうとか、ギャルサポについてどう思うかとか、メガクラブについてとか、スタジアムの環境とかですね。日程問題は非常に多かったので何とかしないとなのですが、こういう日程にしろという提案をJリーグにしたところでなかなか難しいと思うので、どういった過程を経て日程を決めたのかが、サポーターにもある程度わかるよう告知してもらえるように求めるといいかもしれません。

いぬゆな グッズについては、コップのフチ子をJリーグマスコットバージョンで出して欲しいというツイートがありましたね。ソシャゲガチャには課金しない派ですが、こんなリアルガチャあったら死ぬほど回しますよ。

中村 それは面白いですね。でも、もう字数がないからブログに書いて下さい(笑)。

いぬゆな 了解です(笑)。中村さんと対談させて頂いて本当にいい経験ができました。とても刺激的でしたよ。また是非何かやりましょう! あと、 Jリーグへの取材申請頑張って下さいね。ニヤニヤしながら見てますね。

中村 いやいや、いぬゆなさんも一緒に来て下さいよ。

いぬゆな え? だって、ぼくは取材するような立場じゃないですし......。

中村 だからこそ面白くないですか?

いぬゆな いやまぁ、そりゃ興味がないわけじゃないですけど......。

中村 なら行きましょう! まぁ取材申請自体が断られる可能性もありますけど(笑)。

いぬゆな ジェフのユニフォーム着ていってもいいですか?

中村 いいと思いますよ。冠婚葬祭やディズニーランドならいざしらず、Jリーグに行くのにユニフォームを着ていって断れることはないはずですから(笑)。

■Jリーグよ、俺たち色に染まれ!

 いぬゆな氏との前後編の対談を振り返ってみると、やや「お役所感」があるJリーグの現状を、暖かみがある状態にすることを求めていくべきだと総括することができる。それはつまり、Jリーグをサポーター色に染めていくことこそ、我々が求めていることなのだ。もちろんサポーター色に染まり切っても問題が生じるかもしれないが、少なくとも旧J's Goalのような自由にサポーター色に染められる場所があってもいいのではないか。

 今はインターネットがすっかり当たり前になった世界である。少し前まではサイエンスフィクションと言われていた世界になった。SF作品によっては、コンピューターが支配する世界は、非常に冷淡なものとして描かれていることもある。しかし、現実にネット社会が世界を覆った時、我々人類が求めたのは人間らしい暖かみであった。

 単に情報を出すだけでは駄目で、そこに人間らしさが介在しないと、我々は不愉快さすら感じるようになった。今のような情報の出し方では、Jリーグに親近感を覚える人が増えていくとは思えないし、炎上騒ぎも断続的に続くだろうと思う。

 そういった観点を踏まえて、サポーター皆様から頂いた貴重なご意見を元に、取材申請をしてみようと思う。ぼくは記者として活動したことはないので、取材申請なるものをした経験がないのだが、徹マガ主筆の宇都宮徹壱氏がやり方を一から教えてくれるとのこと。というか、「慎太郎! Jリーグに突撃してこい!」と、けしかけた......もとい、提案してくれたのは何を隠そう徹壱さんなのである!

 宇都宮さんの「突撃命令」によって始まったこの連載は、漠然とした観念論から始まった。しかし、続けていくうちに、少しずつ戦うべき「敵」の姿が明確になってきたように思う。「敵」とはつまりJリーグとサポーターの対話がない現状であり、敵を倒すために必要なものは対話のためのツールである。

 その1つが、J's Goal!!

 まず、J's Goalが今までどれだけ重要であったのかをもう少しよく学んだ上で、今後のJ's Goalをどうしていくのかを考え、提案することを1つの柱としたい。

 というわけで、今回も読者の皆様のお知恵を拝借したい。ぼくは比較的新しいJリーグクラスタなので、旧J's Goalの良さについては正直言って肌感覚として掴み切れていないところがある。なので、「J's Goalのこんなところが良かった」という御意見と「これからのJ's Goalはこうなって欲しい」というような具体的な提案があれば、是非寄せて頂きたい。

 ご意見の送り先は、徹マガ(tetsumaga@gmail.com)に送っていただくか、ぼくのブログ「はとのす」(http://shintaro-hato.com/)、いぬゆな氏のブログ「INUUNITED」( http://inuunited.com/)においても、後日ご意見を募集するので、そちらをご参照頂きたい。

 また、この対談記事に収まり切らなかった内容についても、それぞれのブログで紹介することを検討しているので、後日ご参照頂ければ幸いである。

●中村慎太郎(なかむら・しんたろう)

東京生まれ、東京育ち。東京大学農学生命研究科で水産学の研究に従事した後、作家活動を始める。ふらっと初観戦したJリーグの試合に見せられ、以降全国のサッカークラブを観光しながら訪ね歩いている。今のテーマは、気楽なサッカーツーリズム。デビュー作の『サポーターをめぐる冒険 Jリーグ初観戦をした結果思わぬことになった』(ころから)が、第2回サッカー本大賞を受賞。徹マガにも2回登場(通巻173号&206号)。



徹マガ」ではこのほかにも下記の記事などを掲載中です。


【新連載】中村慎太郎の「百年構想の向こう側へ」 vol.1 サポーターはJリーグを滅ぼそうとしているのか?
http://www.targma.jp/tetsumaga/2016/01/12/post1119/

中村慎太郎の「百年構想の向こう側へ」 vol.2 Jリーグとは文化である
http://www.targma.jp/tetsumaga/2016/02/07/post1146/

【無料記事】中村慎太郎 Jリーグ百年構想の向こう側へ vol.3 対談いぬゆな氏「なぜJリーグとサポーターは対立する羽目になったのか」
http://www.targma.jp/tetsumaga/2016/03/09/post1251/

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投票

Jリーグについて(1票)

匿名(IP:126.74.79.12)

ここらへんの人達の言うことはいまいちピンとこないなあなんでだろ

2016年4月18日 14:34

徹マガについて(1票)

産廃記事、専門学校へ入りなおすべき(IP:126.93.180.135)

ゴール裏の観客とだけ対話するというなら
それは、同じ料金で入場しているのに、特定の人間の発言力だけ
大きくなるということ。また、ゴール裏で試合を見ているから
サッカーを知っているということでもない。
ところが、こういう一部サポの中での序列意識とか
特権意識だけで思いあがった散漫な話をそのまま
記事に起こして問題提起になると思うなら
記者なんていらない。

こういう自称コアサポの家族愛だとか、
ロクに部活経験もない自称戦士の直言・精神論諸々の召使として
プロ選手や監督が曳きまわされることを考えるべき。
シンプルなのは結構だが、金を使ってる素人が偉い的な
商業主義ほど、文化と対極にある考えはない。
こういう取材者としては素人同然、無学な知ったかで
短絡した人が記者で通る限り、Jリーグとして、
ファンからの建設的な意見を取り上げ集約する契機にはならない。
てか……何このラノベ読んだ後の虚脱感。無駄な会話をそのまま
文字に起こしてるだけで読んでもらえるなんて虫が良いにもほどがある。
読み書きのできない人間の雑感なんてネットで間に合ってるて話


2016年4月22日 09:03

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