村井チェアマンが浦和vs仙台戦後に熊本地震に関してコメント『スポーツは社会を明るくする、元気にする力があると思っています』
2016 04/16 22:18
▼ロアッソ熊本に関する現状など
埼玉スタジアム2002で行われたJ1リーグ・ファーストステージ第8節「浦和レッズvsベガルタ仙台」を視察に訪れたJリーグ・村井満チェアマンが試合後、報道陣の囲み取材に応じた。
熊本県を中心に九州地方で相次ぐ地震が発生していることにともない、Jリーグは九州地方やロアッソ熊本が遠征する予定だった京都での試合など、計6試合のリーグ戦開催中止を16日の早朝に決定。囲み取材の冒頭で村井チェアマンは「犠牲になられた方々のご冥福をお祈りいたします。また、いまも相当数の方が被害にあわれている状況をお見舞い申し上げます。一刻も早い復旧をお祈りしております」とコメントした。
村井チェアマンが囲み取材に応じた16時ごろの時点で、Jリーグ側には特に被害が大きかった熊本に関しての情報があがってきており、家屋倒壊などの被害が大きい熊本・益城町から15kmほど離れた距離にあるクラブハウスやクラブ事務所、うまかな・よかなスタジアムの現況が伝えられたという。
クラブ事務所は地震の影響により物が散乱し、業務が行えない状況とのこと。18日まではクラブハウスなどがある熊本県民総合運動公園が救護活動のため閉鎖される上に、練習場は自衛隊の駐屯地になっていることから、18日まではトップチームやアカデミーを含めたクラブの全カテゴリーとクラブスタッフの活動休止が決定しているという。また、クラブスタッフの自宅が損壊しているケースや一部の選手、クラブスタッフも避難所暮らしをしているため、「(うまかな・よかな)スタジアムの現況の詳細なレポートは分からない」(村井チェアマン)としながらも、スタジアムのハード面が損壊しているという報告はJリーグ側には入っていない。
今回の震災では6試合を除き、Jリーグの試合が各地で開催された。震災が起きた中でも他地域ではJリーグの開催に踏み切った意義について、村井チェアマンは「市民の生活に広範囲の影響がある、もしくは移動に支障をきたす場合は、(リーグ全体の)中止を考えないといけませんが、ほかの地域では大きな支障はないと聞いています。平穏な市民活動の前提にスポーツは行えるという大原則はありますが、スポーツは社会を明るくする、元気にする力があると思っていますので、(開催の)支障がなければなるべく実施していきたい方向です」と話した。
この日の各地のJリーグ会場では、ファン・サポーターによる義援金の募金活動が展開された。Jリーグ本体もインターネットを通じて募金活動を呼びかけている。今後の支援活動の方針について、村井チェアマンは「JFAとJリーグがそれぞれの団体として支援活動を検討していくことになります。Jリーグをあげて、ファン・サポーターが一体となって、対応していきたいと考えています」と話し、日本サッカー界全体で復興活動を支援していく考えを表明した。
文・郡司 聡(フリーライター)