インタビュー三平和司(前編)残留への青写真「1-0で勝てるチームになる」【大分トリニータ】
2015 10/12 09:25
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今回は大分トリニータを中心としたWEBマガジン「trinita.eye」から三平和司選手に関する記事になります。
【インタビュー】三平和司(前編):残留への青写真。「1-0で勝てるチームになる」(2686文字)(trinita.eye)
2015年09月08日更新
リーグ中断の3週間、天皇杯で連勝したチームは勢いを取り戻し、確かな手応えと自身を取り戻しつつある。残り12試合、攻撃のキーマン三平和司が決意を語る。
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■危機感はありますが表に出ない。声を出すことや盛り上げることなんて誰でもできるのに。
Q:「こんなはずでは」と誰もが思っているシーズンですが、残り12試合で最下位。ここまでの戦いぶりを振り返ってみていかがでしょうか?
ダラダラときちゃったかな、というのが印象です。勝てない時期に何かを変えることができれば良かったのでしょうが、終わったことなので残りの12試合が終わったときに「あの時はこうしておけば良かった」と悔いの残らない準備をしていきたいです。
Q:緊張感はあるとは思いますが、良くも悪くもチーム全体からピリピリとした雰囲気を感じられませんが。
そうですね。危機感はありますが表に出ない。声を出すことや盛り上げることなんて誰でもできるのに。できない時点でコミュニケーションを取ろうよと言っても、第一段階ができていないのに次のステップにいけないと思うんですよね。空元気でもいいんですよ、普段声を出さないヤツが声を出すと活気づく。だいたい声を出している奴は同じなんで、みんなが出せるようにならなければいけない。この窮地で無理にでも盛り上げなければいけないのに、本当に残留したいのかなと思ってしまう。それを一番感じたのがリーグ戦が中断して初日の練習のときでした。俺は風邪で休んでしまったのですが、次の日に練習に行ったとき淡々と練習していました。勝っている状況ならそれでいいし、練習の意図を掴んで、それぞれが考えてできていればいいけど、それができていないのに声も出せていない。誤解を恐れずに言えば、サークルのような感じになっている。これは何とかしないと本当にヤバいです。
Q:サッカーの内容に関しては、いかがです。
堅守速攻のイメージでやっていますが、前線の選手がしっかり(ボールを)おさめないといけないし、個人的にはエヴァンドロとかがやってくれれば生きるサッカーだと思う。アイツは足が早いし、身体も強い。ブラインドサイドにパスを出せば(相手より)先に触れる。紅白戦ではできているけど、試合になると相手も馬鹿ではないので、足が速ければ距離をとるし、先に身体をぶつける。そこからのプレーをエヴァンドロはどうしていいのか混乱している。相手の動きをしっかり見てプレーできれば嫌な存在になるのに。自分の武器を使い切れていないので勿体ないです。元気なキャラだから試合ではハチャメチャやってほしい。能力は高いので残りの試合でいい働きをしてくれると思っています。
■プレーでも相手の嫌なところが分かるようになってきたし、チーム全体を見ることができ、試合の流れを読めるようになった。
Q:三平選手自身の出来は?
もっとディフェンスラインの裏でボールをもらい、GKと1対1の状況をつくるのが理想。ただ、チーム全体としてボールを保持できず、ボランチが前を向けていない。だから引いてボールをもらって組み立てに参加するし、守備でもスイッチの役割をしなければいけない。自分自身の出来を言えば、得点も少ないし、評価は全くできないですね。
Q:チームのことも、自分のことも、客観的に見ているんですね。とつとつと語っていますが、以前に大分に在籍していた時の印象とは違いますよね。試合後のミックスゾーンでも、しっかり喋っていますし。
前まで考えていなかったわけではないですが、サッカーをより考えるようになりました。プレーでも相手の嫌なところが分かるようになってきたし、チーム全体を見ることができ、試合の流れを読めるようになったからだと思います。
Q:ファンのなかには、三平選手がトップ下でプレーするのを見て、前線もしくはサイドでガンガン走るのは"サンペイらしいのに"と思う人も多いようですが。
ガンガンいきたいけど、ここで一発狙ってもボールを失うと危ないなというのが分かってきた。それでも京都でプレーしていた時も、(ボールを)はたいて、前に走るというスタイルは変わっていなし、周りばかりを見過ぎて自分の怖さがなくなるのもダメだというのは分かっているつもりです。今は裏に抜けられず、足元でパスを受けるのが多いのですが、チームとして戦うためには必要なことなんで、それはそれでいいと思っています。最近は2トップの組み合わせ、戦い方が変り、ふたりとも裏を狙うようになりチャンスができています。中盤が前を向いてプレーするのが条件ですが、一人が裏に抜ければ、その空いたスペースを狙い連動したプレーができているので、チャンスは増えていると思います。
■複数点は簡単に取れないので、1-0で勝てる雰囲気になればいい
Q.試合数が少なくなり、かかるプレッシャーも大きくなってきますね。
得点は取れているので、あとはボールをいかに保持できるか。最近の試合では解消できていますが、両SBが高い位置を取れていなかったから4バックとボランチにプレスをかけられていました。SBが上がって(立ち位置の)段差をつければ、相手はマークがつきづらくなる。相手の前でプレーするのではなく、角度をつけることができればパスコースも多くなるし、プレッシャーもかからないので、そのあたりは共有してプレーしていければいいと思います。
Q:今後は勝点を計算する戦いが続くなかで、自分たちのサッカーより勝つサッカーが求められるのでは?
そこは難しいですね。守るだけでは点を取られるし、これまでも守り切れない試合は多かったので。コンパクトに守るのはいいんですが、後半は最終ラインの裏のスペースを消すぐらい下がってもいいと思います。下げて楽をしようという考えではなく、サイドにボールが出てもスペースを消して、縦を(突破できないようにコースを)切って、バックパスをさせるような守備ができればいい。ある程度は相手のSBにボールを持たせ、蹴られてもいい。スペースを消して、最後の局面で身体を張ればFWも相手のボランチのところまで下がって守ってもいいと思います。そこを徹底できれば1-0で勝てるチームになり、勝点を積み上げることができるはずです。理想は2-1、3-1で勝てればいいのですが、複数点は簡単に取れないので、1-0で勝てる雰囲気になればいい。
Q:天皇杯で連勝し、いい流れでリーグ戦を迎えられそうです。J2残留に必要なことは何でしょう?
緊張感をもって、チーム内で競争して、危機感を持って練習し、試合に挑むことです!
※三平和司選手のインタビュー後編はこちら!
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【インタビュー】三平和司(後編):知られざる素顔に迫る、サンペイを紐解く12の質問。(1394文字)
http://www.targma.jp/oita/2015/09/30/post2195/
【栃木vs大分】レビュー:再三のチャンス生かし切れず痛み分け
http://www.targma.jp/oita/2015/10/11/post2288/
【栃木vs大分】本日の試合結果。前半先制を許すも伊佐のゴールで同点に。後半勝ち越しゴールを奪えず、痛み分け。
http://www.targma.jp/oita/2015/10/10/post2282/