【情熱の分析家・河治良幸の一言解説】リオ五輪予選突破なるか? サウジ、タイ、北朝鮮の3カ国を分析する
2015 09/16 14:25
【U23】リオへ「死の組」回避!最終予選カタール・ドーハで「一発勝負」
日本が死の組を回避した。男子のリオデジャネイロ五輪最終予選を兼ねたU―23(23歳以下)アジア選手権(来年1月)の組み合わせ抽選が12日、開催地カタールのドーハで行われ、日本は第2シードとなり、1次リーグB組で13日に第3シードの北朝鮮、16日に第4シードのタイ、19日に第1シードのサウジアラビアと対戦する。
情熱の分析家・河治良幸の一言解説
記事にもある通り、抽選で第2シードに組み込まれ、結果として同年代の鬼門となっているイラク、宿敵の韓国と対戦を避けられたことは“幸運”ですが、決して易しいグループでないことは間違いありません。
初戦で戦う北朝鮮は昨年のアジア大会で準優勝したメンバーにDFキム・チョルボム、DFチャン・ククチョル、MFソ・キョンジンなどが名を連ねており、日本が敗れた東アジアカップで圧倒的な高さを見せ付けたパク・ヒョンイルもリオ五輪世代です。本来DFですがFWとして覚醒しており、エースのキム・ジュソンと強力な2トップを組んでくることが予想されます。マンツーマンとドリブルを主体とした速攻の組み合わせは伝統的に日本が苦手とするところですが、そこに高さが加わるというのは厄介です。
タイはロンドン五輪の予選でU-19の出場停止選手を起用したことが発覚して失格となっており、なみなみならぬモチベーションで挑んでくるでしょう。昨年12月の親善試合では2-0と勝利していますが、多くのチャンスを作りながらなかなか決められず、一発のパス&ゴーでピンチを迎えるという、良くも悪くも日本らしい内容でした。タイは守備陣の主力クラスが全てA代表で経験を積んでおり、1次予選では北朝鮮と0-0のスコアレスドローでした。公式戦となれば相手もより密度の濃い日本対策を講じて来ることが予想されます。早い時間帯に得点できないと間違いなく難しい試合になるでしょう。
3戦目に迎えるサウジアラビアはスペイン人のアントリネス監督が率いるテクニカルなチームですが、前線にスピードのあるアタッカーが揃っており危険です。2013年に行われた前回大会で準優勝していますが(優勝はイラク)、当時のメンバーはリオ五輪の資格がある選手が主体で、超人的な身体能力を備えるGKアルハルビもその一人。予選ではイランにテヘランで勝利し、4試合でわずか1失点しかしませんでした。現A代表のメンバーも日本より多く、この年代の経験値では“格上”の存在です。間違いなく最大の難敵。できれば2勝して当たりたいところです。
グループリーグから厳しい戦いになりますが、やはり鬼門は準々決勝です。手はA組の1位か2位になります。つまり開催国のカタール、シリア、イラン、中国のどこかになります。そこで勝利しても、さらに準決勝か3位決定戦で勝利しなければリオ五輪の切符は獲得できませんが、まずはグループリーグ突破、そして準々決勝の鬼門を突破してほしいものです。そのためにはチームとしての戦い方もそうですが、その前にクラブでの成長は欠かせません。
最終のメンバー選考まで3カ月と少し。しっかり出場機会を得て活躍できるように、それぞれが精進することを期待しています。