「仁義なき戦い」の一部始終【モンテディオ山形】
2015 09/15 06:37
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今回はモンテディオ山形を中心としたWEBマガジン「Dio-maga」から西河選手、宮阪選手に関する記事になります。
【トピックス】「仁義なき戦い」の一部始終。(887文字)(Dio-maga)
2015年09月01日更新
練習終了後の西河翔吾の様子は、明らかにふつうではなかった。
すでにクールダウンも終わったのに帰るでもなく、時間を浪費しているように見えた。左手に水が入ったボトルを持ち、右手でスパイクを氷水入りのクーラーボックスの中に入れ始めた。しかし、一見なんの意味もないようなこの行動には大きな意味があった。そのスパイクの持ち主・宮阪政樹を襲撃しようと、帰り際を狙っていたのだ。
宮阪もその様子に気づいていたが、いまスパイクを救出しに行けば、相手の思うつぼ。自分が西河の水攻めに遭うため、10数メートルは慣れた位置でボールを蹴りながら、ここを逃れるタイミングをうかがっていた。
10分ほど遡る。この日は8月19日、誕生日を迎えたロメロ フランクがチームメイトから祝福の水を浴びせられていたが、ロメロに水攻撃を行った宮阪は、その足でストレッチ中の西河のもとへ向かい、水をブシュー! やられた西河もやり返そうとボトルを手に持ち、2人は一触即発の状態で向き合っていた。
「アイツ、いつも俺にかけてくるんですよ」と西河。どうやら、2人には以前から抗争を続けてきた歴史があるようだ。
待ちくたびれた西河の一瞬の隙を突いて逃げる宮阪。西河もすぐ後を追った。
宮阪はファンサービスエリアでつかまった。互いに水をかけられまいとボトルを握り合い、もつれながら、2人は練習グラウンドまで戻っていく。
グラウンドに戻り、ボトルの水を使い切ると本格的な格闘技が始まった。懐に潜り込んで足を取り、タックルのような形で宮阪が、まずは西河の上に乗り、押さえつけた。
なんとか体勢を入れ替えようともがく西河。しかし、宮阪は要領よく押さえ込み、横四方固めから袈裟固めへ。宮阪が終始主導権を握っていた。
ただ、宮阪の目的は押さえ込むことではなく、西河から脱出すること。腕を地面に押し付けて、せーので逃げる宮阪、即座に立ち上がり追う西河。このバトルはクラブハウスまで続いた。
翌日、西河に戦いを振り返ってもらった。
「いつもやられるんです。重いんですよ、アイツ。返せなかったです、重過ぎて」
2人の戦いに終わりはない。
(文・写真=佐藤円)
「Dio-maga」ではこのほかにも下記の記事などを掲載中です。
【山形vs広島】レポート:つかんだ手ごたえと、越えられなかった差。(2642文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/09/14/post2394/
【練習場フォト】まだまだ焦らず
http://www.targma.jp/yamagata/2015/09/14/post2342/
【練習試合後のコメント】瀬川和樹選手「(アシストは)當間さんがいいタイミングで入ってきてくれた」、日髙慶太選手「(先制点は)自分の形。攻撃面での長所を出せるように」
http://www.targma.jp/yamagata/2015/09/13/post2387/