愛される男・塩田仁史の「刺激と成長」【大宮アルディージャ】
2015 09/05 07:27
有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されているJリーグクラブ有料記事を全文掲載させていただいておりますこの企画。
今回は大宮アルディージャを中心としたWEBマガジン「OmiyaVision」から塩田仁史選手に関する記事になります。
【Vision】愛される男・塩田仁史の"刺激と成長"(1170文字)(OmiyaVision)
2015年09月03日更新
(C)OmiyaVision
天皇杯1回戦・栃木ウーヴァFC戦。ピッチに立った塩田仁史に対して、NACKに集まった約3000人の観衆は試合前から割れんばかりの声援を送っていた。GKというポジションの特殊性もあり、大宮加入後の公式戦出場は今回が初。しかし、彼の努力と献身を知るサポーターたちにとって、背番号21は出場の有無に関係なく愛される選手になっていた。
「初めてユニフォームを着てNACKのピッチに立ったけど、みんなが迎えてくれたことにすごく感謝している。それが力になってああいう結果(4○0)につながったということもある」
塩田はそう謙虚に語り、落ち着き払ったプレーぶりを称賛されても「バンさん(播戸竜二)が一つのチャンスをきっちり決めてくれた。あれでチーム全体が落ち着けたと思う」とチームメートに感謝する。そうした一つひとつの姿勢が周囲からの信頼感につながり、時にはトレーニングで厳しい言葉を発しても、言われた側は素直に受け止めることができている。
常にチーム全体を見て影響力を発揮している塩田だが、栃木ウーヴァFC戦で2度のビッグセーブを見せたことから分かるように、個人の鍛錬が相当なレベルにあるからこそでもある。34歳になったいまも、成長への意欲は衰えることがない。むしろ自身初の移籍が刺激となり、向上へと突き動かされている。
「僕も長くやっているけど、僕の中では(チームメートの)GKもGKコーチも代わっているので、また新たな刺激がある。プレーの幅を広げる意味では、だいぶプラスになっている。この歳になってまた一歩成長できるかなと思う」
トレーニングから生まれる具体的な変化については、次のように語る。
「白井さん(白井淳GKコーチ)はゲームのシチュエーションに寄って、シュートのアレンジとかをすごくしてくれる。ゲームの想定をしやすいというのはある。あと、GKがシュートを打つ場面も多いので、逆にシューターの気持ちになれる。『こういうポジショニング、イヤだな』とか、『こういうタイミングで出られるとイヤだな』というのも分かる」
栃木ウーヴァFC戦で1対1をしっかり止めてみせたのも納得だ。もちろん元から持っているスキルが大前提だが、大宮のトレーニングの特徴をつかんで自分のモノにする柔軟性は称賛されてしかるべきだろう。天皇杯2回戦・東京V戦で出場することになれば、期待こそあっても不安はどこにもない。
「1回戦で初めてピッチに立って、周りの人の目もあったので、ホッとしたというのが正直なところ。でも、次で負けたら意味がない。シブさん(渋谷洋樹監督)も言っているけど、優勝を目指してやっていくところは変わらない」
持ち前の朗らかさはそのままに、上を目指す眼差しは力強い。
<写真>GK同士のシュート練習は大宮の日常だ。写真のキッカーは塩田、GKは清水慶記 (C)OmiyaVision
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