J1【浦和vsG大阪】浦和レッズ 試合後の選手コメント『パトリックの良さを消せるのは自分だけだと思っていた』(槙野 智章)+柏木・ズラタン・那須・宇賀神・西川・関根・平川
2015 05/03 08:27
5月2日(土)14:00KICKOFF/埼玉スタジアム2002/53,148人
浦和レッズ 1-0 ガンバ大阪
得点者:84' ズラタン(浦和)
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○柏木 陽介
「相手も狙いどおりの展開だったかもしれないけど、ウチのほうがそれ以上に狙いどおりの展開だった。相手を上回れたと思う。相手にボールを持たせても慌てずに守備をできていたし、相手が前に二人しかいない状況を作れた」
Q:落ち着いた試合運びができたと。
「精神的にはより落ち着いていた。慌てて良いことはないし、みんな落ち着いていた。一番うるさかったのは監督(笑)。『もっとボールを受けにいけ』と言われていたんだけど、全部受けに行ったら疲れるから、と言っていたのに『それでも全部いけ』と監督は言う(笑)。こっちは落ち着いてやりたいし、後ろで回しても悪くないし、いろいろと調整しながらやっているのに......(苦笑)。夏場になったらもっとしんどくなるだろうし、夏場に週一の試合のほうがキツいかもしれない。だからそういう戦い方も必要。来なかったら後ろで回すぐらいもことがあってもいいと思う」
Q:良い表情をしていますね。
「勝ったし、キックオフ時間も早いし、これからおいしいご飯も食べられる。勝ったからこそ、そう思える。頂上決戦に勝って、たくさんのサポーターの中で戦えて、ほぼパーフェクトな試合だった。ピンチと言える場面は(遠藤の)直接FKとタカシ(宇佐美)の最後の場面ぐらいだったと思う。そういう試合運びをして、欲を言えばもう一点取りたかった。この試合に勝ったことで勢いに乗りがちと思われがちだけど、調子に乗るパターンもある(苦笑)。次の仙台戦は勝ちに行くよりも、(ユアスタは)鬼門だし、失点ゼロで最悪引き分けでもいいかなという気持ちで戦うことがベストだと思う。こういうときこそ冷静にチーム状況を見つめながらやっていかないといけないと思っている。最近は中からだけではなく、外からも点を取れている。速いボールがゴールにもつながっている。それは浦和でもなかなかないこと。攻め込む時間帯もあるし、引いて守っている時間帯もある。そういうメリハリのある戦い方が分かってきて、慌てずにやれていることは大きいと思う」
Q:引き分けでもOKというイメージでしたか?
「もちろん勝つつもりで試合には入っている。ただ試合の流れの中で70分、80分の時間帯になったときに、このまま0-0で終わってもいいと思いながらプレーしないと、ウチのチームはリスクを冒して失点することもある。今日はモリ(森脇)もマキ(槙野)もバランスを見ながらでしか攻め上がっていない。そのバランスが重要になってきている。モリかマキが攻め上がったときも那須さん、阿部ちゃん、モリとか残っている選手でつぶせていると思う。そういう戦いができればいいと思う。もちろん勝ちには行くけど、0-0でいいぐらいの気持ちで余裕を持って戦おうということ。昨季のガンバ戦は優勝を決めに行ってしまった。クラブ全体を通じて、優勝を決めに行ってしまった。それはメディアを含めて、ここで優勝を決めようという雰囲気作りはビッグクラブゆえで、そこで冷静になって『引き分けでもいいんだ』と戦えていたら違う結果になったのかなと。今日はそういう戦い方をできたんだと思う」
○ズラタン
Q:かなりハードなゲームとなりました。
「非常にハードなゲームだった。前節の試合から中2日しかない状況でチームは良く戦ったと思う」
Q:前半に関しては梅崎選手、武藤選手とのコンビネーションが良くなかったように見えましたが?
「すべては理想どおりにはいかない。うまくいかないこともあるし、そういう時間帯ではいかに冷静さを保つかが大事になってくる」
Q:チームとしての完成型があると思うのですが、それを100としたらいまはどのぐらいの段階にあるのでしょうか?
「まだ上に行く余地は残っている。日に日にチームが確実に良くなっていることは確かだし、けが人も戻ってきている中で、ACLも敗退し、リーグ戦に対する欲も出てくる。これからは日程面のゆとりもできるだろうから、自分たちのサッカーを見つめ直す時間もできてくると思う」
Q:ヒーローインタビューで「新たな未来を作っていこう」というお話をされていましたが、それはどんなお気持ちからですか?
「昨季は非常に悔しい思いをしたと思うし、その気持ちを理解はしている。僕としては今季が素晴らしいシーズンになるという自信もあるし、彼らとともに新たな未来を作りたいと思ったのでそう言わせてもらった」
○槙野 智章
「80分以降がカギを握る時間帯だと思っていた。ゴールを許さなかったのも、いつも以上に気持ちを前面に出せたから。みんなが頑張っていた。パトリックの良さを消せるのは自分だけだと思っていた。相手の良さを消して自分の良さを出すことがテーマだけど、集中を切らさずにできたと思う」
Q:パトリックを封じるためにはどんなイメージを持っていたのですか?
「毎回の対戦で分かったことはサイドに流れることと、スペースでもらう動きが彼の特徴。距離を詰めること、時間とスペースを与えないことが仕事だと思っていた。チームとしては前線の二人を守備に回すこと、ゴールから遠ざけること。少ないタッチ数でボールを動かすことで、二人を守備に追わせて、いざ彼らのマイボールになったときに攻撃のパワーを削ぐこと、それが僕たち守備陣に課せられた仕事だった。自分たちのゲームプランどおりだったと思う」
Q:終了間際の決定機を西川が阻止したことについて。
「周ちゃんに聞いても余裕はあったと言っている。僕たちの後ろには"和製ノイアー"じゃないけど、11人目のリベロがいるので(笑)。試合後にはみんなが良い顔をして喜んでいたけど、次の仙台戦が本当に大事。次の仙台戦を落としてしまうと今日の結果もムダになってしまう。こういうゲームをできるならば、次も質の高い緊張感のある試合をやろうとみんなで話していた。そういう声が聞けたことはチームの成長なんじゃないか」
Q:いつもは守備陣ではやっていますが、試合後に選手全員で円陣を組んでいたのは初めてでしょうか?
「みんなが守備に走ったり、(完封勝利は)前の選手のおかげでもあるので、みんなでやった」
Q:あえて課題を挙げるとしたら?
「試合が終わったあとに言っていたことは、僕たちはバイエルン・ミュンヘンの映像を見て勉強をしているけど、もし彼らならばもう1点、2点を取りに行くプレッシャーを相手にかけに行っていたはず。僕たちは84分に点を取ったあと、1点を守りに行く姿勢を見せたけれども、もう1点を取りに行く姿勢が大事だったのかなと。唯一課題を挙げるとしたら、僕たちは守備に引いて人数を割くというよりも、もう1点、追加点を取りに行く姿勢を見せるほうが相手に脅威を与えられるし、シャットアウトに近付くのかもしれない。勇気を持って前に出ることと、もう1点を取りに行く姿勢が大事かなと思う」
Q:あれだけ緊迫した中で前半に東口選手がキックを蹴る際に後ろに回って、そのあと二人が何かやり取りをしたようですが、何と話していたのですか?
「大前選手も宇佐美選手もそういうプレーをやっていたし、僕自身ここまでゴールを取っていないので、点を取り行きたかった。イージーミスを誘いたかったけど、ヒガシくんに『バレているよ』と言われた(笑)。同じミスは二度ないね(苦笑)」
○那須 大亮
Q:無失点で抑えることができました。
「0-0でも後ろは良いと思っていたし、勝ちたいという気持ちはあったけど、後ろはゼロで抑えれば勝ち点1は取れる。とにかくゼロに抑えようと、失点をやらないことが大事だと思っていた。リスクマネジメントをしっかりと90分やり続けていた」
Q:後半の終盤は相手に押し込まれた部分はありましたが、それは想定内でしたか?
「想定内だった。最後の宇佐美の決定機は周作がスーパーセーブをしてくれたので非常に助かった。それ以外フリーでやらせる場面もなかったし、カウンターで追加点を取るチャンスもあった。試合をするごとにチームは進化していると思うし、成長している。バランスよく戦えていることが違う。点を取りに行ってリスクを冒し過ぎて失点をしていた。クリアになってバランス良く戦えるように我慢強く戦えるようになった」
Q:最後に失点をした名古屋戦の経験が生きた部分もありましたか?
「交代したときとか、そのときの集中力は大事。パトリックが下がった時も集中力を保つことが大事だと思っていたし、昨季もパトリックが代わったあとにチームの色が変わっていた。そういうときこそ集中力を高めないといけない。それを選手たちが気付いていたことは非常に良かったと思う」
Q:昨季は終盤に2点を取られて、今季は終盤に1点を取りました。チームが成長している証では?
「今日だけではなく、我慢をすれば点を取れると思っていたし、攻撃陣も流動的に良い攻撃ができている。我慢しようということは選手間でずっと言い続けている。フロンターレ戦のようにたとえ0-1のビハインドの試合でも1失点で抑えることは大事。我慢できているのは継続しないと。続けていくと必ず結果に結び付くと思っている」
Q:9戦負けなし、ということに関しては?
「気にしていない。とにかく目の前の試合がトーナメント。ファーストステージは一回しか同じ相手と対戦しない。とにかく目の前の試合が大事。その立ち位置は変わらない」
○宇賀神 友弥
「休んだぶん決定的な仕事ができて良かった。昨季、悔しい思いをした相手だし、埼スタでも悔しい思いをした。やり返す気持ちを強く持って試合に臨んでいた。試合後のロッカールームでもそうだったし、試合が終わったあともそうだったように、全員がそういう気持ちで戦っていたことが分かった」
Q:宇賀神選手は芝生を叩いて喜んでいました。
「『やってやったぞ!』という気持ちがあった。昨季の埼スタでの試合でロスタイムのときに今野選手が僕たちのベンチに向かってガッツポーズをしたので、それが忘れられずに絶対に勝ってやるぞという気持ちだった」
Q:全員が走った結果だと思います。
「それはここまでもずっと変わらないし、シーズンが始まってから結果が出ているけど、すべての試合で戦えている。ベースの部分プラス今日の試合でも戦う気持ちを出せた」
Q:アシストの場面を振り返って。
「あそこまでえぐったときはディフェンスとGKの間で駆け引きをする。その前に前半に深くまでえぐって、マイナスに折り返して取られた場面があったので、ディフェンスとGKの間に入れるほうが何か起きると思ったし、前半のミスがあったからそういうプレーの選択をした。ズラ(ズラタン)はなんとなく見えていた。ああいうボールを1試合で1、2本上げられればもっとチームがラクになると思う。武藤も言っていたけど、僕も武藤も自分が点を取ったかのように喜んでいた」
○西川 周作
Q:遠藤選手の直接FKの場面を振り返って。
「ヤットさんが助走をしながらイヤなところに蹴ってくるし、代表でやっている経験が生きたかもしれない。予測していたところに来て良かった。触ったのは指だった」
Q:宇佐美選手の決定機の場面は、入ったかと思いました。
「そこをやらせないのが今年の浦和レッズですから(笑)。チームが粘り勝つにはGKがいかに仕事をできるかが大事。名古屋戦ではリードしている展開で点を取られて悔しい思いをしていたから今回は止められて良かった。昨季のリベンジという意味でもサポーターの方もたくさん来てくれたし、うれしかった。負けていた相手に経験を生かして戦えたと思う。昨季の経験をムダにしていない戦いができている」
○関根 貴大
Q:ピッチに入る前の指示は?
「いつもどおりしかけていけと言われた。SBが起点になっていたのでそこを封じることは意識していた。久しぶりの途中出場だったけど、いつも以上に緊張した。これだけお客さんが入った中でやれることはあらためて幸せなことだと思ったし、あとは思い切ってやろうと思っていた。前の相手を抜けずに悔しかったけど、攻撃のリズムはできたのでそこは良かったと思う。昨季は悔しい思いをしていたし、内容どうこうよりも、勝てて本当にうれしい」
Q:今日は一味違った大観衆の中でのプレーとなりました。
「お客さんに入ってもらうと違った埼スタになる。昨季も多くのサポーターの方々に来てもらっても、ふがいない結果しか残せなかったので、今回は勝てて本当に良かった」
○平川 忠亮
Q:これで開幕9試合負けなしとなりました。
「9戦無敗で良い戦いができているし、これを続けていくこと。さらに前線のコンビネーション、後ろから持ち運ぶプレー、ビルドアップなどもっとレベルアップできるようにやっていきたい」
Q:埼スタでガンバに勝つことも久しぶりなのですが、そういった思いもありましたか?
「埼スタでガンバに勝つというよりも今季のゼロックス、昨季のリーグ優勝を決められる試合で負けたことのイメージが残っていた。それを払拭するためにも今日の試合は大事だった。チームの成長できている部分を見せられたし、まだまだ伸びシロがある。コンビネーションを高めて勢いを止めることなくやっていきたい」
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