【英国関西ライター内藤秀明の一言解説】香川真司の新相棒マルコ・ロイス、今季はドルトムントに残留するであろう理由とは?
2014 11/01 10:48
日本代表、香川真司選手が所属するドルトムントのマルコ・ロイス選手を巡って、争奪戦が加熱しています。
香川の"新相棒"ロイス、1年でコンビ解消? バイエルンに加えてマンU&リバプールが強い関心(フットボールチャンネル)
ドルトムントに所属するFWマルコ・ロイスの争奪戦が激化の一途をたどっている。英紙「ロンドン・イブニング・スタンダード」が30日付で報じている。
ドイツメディアによると、ロイスが2015年の夏以降にドルトムントから移籍する際、2500万ユーロ(約35億円)のリリース条項があるという。ドイツでも屈指のアタッカーが35億円以下で獲得できるとあれば、バイエルン・ミュンヘンが関心を示すことは当然と言える。
英国関西ライター内藤秀明の一言解説
ゲームを作れてフィニッシュにも絡めるロイス。チームの中心選手ですし、香川とイメージの共有ができるタイプなので放出は避けて欲しいところ。ただ実際問題、今冬に強奪される可能性は低いでしょう。
今回ロンドンの地元紙ロンドン・イブニング・スタンダードがこのニュースを報じていますが、マンチェスター・ユナイテッドとリバプールが今冬動くとは考えにくいからです。
まず、ユナイテッドですが、現在攻撃陣は好調な上に、ロイスがプレー可能なトップ下、ウイングのポシションの人はある程度足りているためそこまで必要だとは思えません。むしろ、このチームで獲得優先度の高いポシションは最終ラインですね。また、夏に大型補強をしたため冬に動く可能性が低いことなども考慮すると、ユナイテッド移籍の可能性は低いでしょう。
リバプールに関しては現在、攻撃面のアイディアが不足しているため獲得できれば大きな存在になりそうです(前線の枚数がかさばりますが)。ただ、財政面の事情があるため、この冬大きな動きをするとは考えにくい。というのも、ユナイテッドの大型補強の陰に隠れていますが、実は今夏、リバプールも約1億3300万ポンドもの大金を移籍マーケットに投じています。スアレスや他の選手の放出で得た移籍金を差し引いても、5200万ポンドものマイナス。大赤字です。しかも、先日UEFAから、FFP(フィナンシャル・フェア・プレー)抵触の恐れがあるとして、リバプールは警告を受けています。なおさら冬は動きにくいはず。
以上の理由から、このプレミアの2チームが、今冬ロイス強奪を目論む可能性は低い。もし引き抜きが現実に起るとするなら、来夏以降でしょうし、移籍の噂が絶えなくとも、静観するのが吉でしょう。