英国関西ライター内藤秀明の一言解説

宮市がオランダで苦闘しています。選手層の厚いアーセナルで出番をもらえず、今シーズンはローンでトゥエンテに移籍した宮市選手。本来なら昨シーズンもローンでどこかに移籍するべきだったんですが、シーズン序盤にアーセナルの2列目に負傷者が続出したこともあり見送られました。結果、序盤こそ何度か出場チャンスがありましたが、主力の復帰と共にベンチ外に追いやられた上、再び負傷したこともありシーズンをほぼ棒に振ってしまいました（最終的に出場したのは年間わずか5試合）。

　現在、アーセナルの二列目には、エジル、チェンバレン、サンチェス、カソルラ、ウォルコット……。強豪国の代表選手、それもレギュラークラスの選手が多く名を連ねています。正直、この面々を相手にしてレギュラー争いをするのは誰であっても苦しい。

　また宮市の負傷しがちな部分を考慮しても激しい接触プレーがとにかく多いプレミアリーグが合っているとも思えません。ヴェンゲル監督がスピードのあるウインガーを好む傾向にあるというのもありこれまで残留してきましたが、今後のキャリアを考えると、そろそろ期限付きではなく完全移籍でチームを変えるべきかもしれません。

　そこでより良いチームに移籍するためにも、まず今のチームで結果を残さなければなりません。「若手重視」「ウイング重視」の傾向が強いオランダで、自身の能力を活かせることはフェイエノールト時代に証明しています。少しずつでいいので試合勘を取り戻し、トップパフォーマンスを披露して欲しいですね。