【英国関西ライター内藤秀明のニュース一言解説】日本代表に選出された香川真司、シャルケとのダービーで見えた問題点とは?
2014 09/30 20:08
シャルケ対ドルトムントのルールダービーが行われ、内田篤人選手はフル出場、香川真司選手は後半途中からの出場となりました。
ルールダービーはホームのシャルケに軍配(Goal.com)
ブンデスリーガ第6節、シャルケ対ボルシア・ドルトムントのルールダービーが27日行われ、ホームのシャルケが2-1で勝利を収めた。シャルケDF内田篤人は右サイドバックでフル出場し、主に守備面で勝利に貢献。ドルトムントMF香川真司は後半途中から出場したがゴールは生み出せなかった。MF丸岡満はベンチ入りしたが出場機会は訪れなかった。
【英国関西ライター内藤秀明の一言解説】
ルール地方に本拠地を置くドイツの強豪同士の対決は2-1でシャルケが勝利。シャルケの内田篤人はフル出場を果たし、ドルトムントの香川真司は後半途中から出場しました。
シャルケは序盤こそコケましたが、2連勝で調子を上げてきています。内田も負傷から復帰し、定位置を確保。状況はポジティブです。
一方で、心配なのがドルトムントと香川の状態です。リーグ戦はここ3試合2敗1分。不調のドルトムントは、シーズンに入ってからシステムを変更するなど、未完成のチームです。そして気になる香川の状態ですが、60分03秒のプレーに彼の現状が顕著に現れていると思います。
まずポジティブな部分が述べますが、彼の「スペースを見つける」、「スペースを作る」センスは健在です。また、味方とのイメージの共有もできています。
ハーフウェイライン付近から動き出し、まず赤のスペース......2ラインの間のスペースを見付けます(スペースを見付けるセンス)。そして、そこにランニングします。その後、相手CBの前に一度入った後すぐに方向を変え、縦パスをもらうために下がります。この動きでCBのマークをかわしつつ、黄色のスペースを作ることにも成功します(スペースを作る動き)。その後、早すぎれば香川が受ける準備ができておらず、遅すぎれば相手CBに狙われてしまうそんな絶妙なタイミングで味方サイドバックから縦パスを受けます(味方とのイメージの共有)。
ただ、その直後、ネガティブな要素が現れます。黄色のスペースにボールを転がせば味方FWが黄色のスペースに走り込むことができ、決定機に繋がるのですが、ここで香川はキックミスを犯してしまいます。マンチェスター・ユナイテッド2年目の頃から顕著ですが、最近の香川は単純なタッチミスが増えているんです。要は、自分のイメージとプレーが合致しておらず、どこか動きが硬く、洗練されていません。
いずれにしても、香川の才能と現状を象徴するようなワンプレーだったと思います。連係面は問題ないので、うまくコンディションとプレーフィーリングを整えてほしい。そう思わされるダービーでした。