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J3リーグの規模にマッチしたボランティア中心の運営が奏功。一年をかけて浸透したFC東京U-23

2016 12/04  10:39

有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されているJリーグクラブ有料記事を全文掲載させていただいておりますこの企画。
今回はFC東京を中心としたWEBマガジン「トーキョーワッショイ!プレミアム」からFC東京U-23に関する記事になります。



【無料記事】J3リーグの規模にマッチしたボランティア中心の運営が奏功。一年をかけて浸透したFC東京U-23(2016/12/02)トーキョーワッショイ!プレミアム
2016年12月02日更新

今シーズンからJ3リーグに参加したFC東京U-23。昇降格に関係しないセカンドチームという立場ではあるが、同じセカンドチームを編成したガンバ大阪U-23、セレッソ大阪U-23を順位で上回るという目標を立て、全30試合を戦ってきた。残念ながら9位のガンバ大阪に勝点2差をつけられて10位でフィニッシュ、この目標を達成できなかったが、じつはFC東京U-23がガンバ大阪U-23とセレッソ大阪U-23を上回った数字がある。観客動員数だ。

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2,000人くらいの試合もザラにあるJ2よりもさらに下部のカテゴリーという先入観からすると、J3は意外に活況を呈している、ということになるのかもしれない。J1での実績がある大分トリニータはホームゲーム最終戦の第29節に11,065人を集めるなど年間通算で116,563人を動員した。一試合平均は7,771人。そのほか栃木SC(最高8,586人、第18節vs.秋田)、SC相模原(最高7,582人、第21節vs.大分。開幕戦のvs.東京は7,280人)、AC長野パルセイロ(最高10,377人、第19節vs.富山)、カターレ富山(最高5,081人、第25節vs.東京)、鹿児島ユナイテッドFC (最高4,975人、第29節vs.盛岡)なども賑わいが目立った。

こうしたクラブは当然ながられっきとしたトップチームの試合を開催し、クラブとしても地域リーグやJFLから積み重ねてきたものがある。実績のないU-23勢がトップチームとは別に興行を打ち、そこに多くの観衆を呼ぶのは容易なことでないと、誰でも気づく。

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大阪ダービーの第16節に記録した4,915人が今シーズンの最高記録であるセレッソ大阪U-23は年間通算22,326人、一試合平均1,488.4人。やはり大阪ダービーの第4節に記録した8,038人が最高のガンバ大阪U-23は年間通算36,021人、一試合平均2,401.4人。対してFC東京U-23は年間通算41,957人、一試合平均2,797.1人。久保建英(FC東京U-18、2種登録)のJ3デビューとなった第28節が7,653人と、ガンバ大阪U-23の平均値と最高値との差と比べてもそれほど極端な跳ね上がり方をしたわけではなく、一年を通して足繁く通った観客層が厚かったことがわかる。

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J3最終節、江東区夢の島競技場の入場者数は2,877人。第5節の1,993人、第10節の2,192人、第18節の2,452人よりも多かった。最終節に関しては、J1がなくJ3だけの週末、トップチームの選手たちの出没と、好材料が揃っていたにせよ、一年をかけて数百人ずつ増えていった夢の島の観客動員数が、FC東京U-23の浸透ぶりをよくあらわしているのではないだろうか。

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2015年の暮れ、J2やJFLのクラブに務めていた経験のあるスタッフが集められ、J3の試合をどう運営するかが検討された。J1より圧倒的に人手が少ない。比例して会場も小規模、観客やメディアの数もJ1ほどではない。すると、J1のように巨大かつ微に入り細に入るプログラムを組み分担するのは非効率的だ。J3の"規模感"に合わせた運営をするには、J1の行程をそのままダウンサイジングするだけでなく、J2やJFLの経験も反映させてコンパクトな仕組みづくりに役立てる必要があった。

そこでスポーツボランティアの協力を得る案が浮上した。FC東京U-23の試合をご覧になった方は、よく見知ったファン、サポーターのみなさんが、スタッフとして会場内の案内や受付など様々な役割を受け持ち、てきぱきと働いている場面に遭遇しただろうと思う。ボランティアスタッフが中核に据えられることで、落ち着いた試合運営が実現可能になったのだ。興行のプロではないが、J1でのボランティア経験は豊富。業務をつづけるうち、FC東京の職員と一体化し、スタッフからコーチと選手の現場にいたるまで、チームそのものがまとまっていった一年だったとは、当のボランティアスタッフから出た言葉だ。

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集客のためにイベントをするというより、まずはFC東京U-23を認知してもらおうと、地域の子どもたちや障がい者を招待するなど、謙虚な姿勢でホームへの浸透を図った。加えてSNSを中心として従来のFC東京ファン、サポーターへの告知に比重を置いたことも、一定の支持を集め、コアな来場者層を築き上げる役に立ったようだ。ただ反面、広範囲に拡がらなかった反省もあり、この点は来シーズンに改善したい意向だという。J3と言えどもプロ。スタンドがガラガラであるよりは多くの観客で会場の熱を高め、選手の士気を高揚させたい、そうした環境で若い選手に試合をしてもらいたい、そんな切な願いがあるからだ。報道が結果的に情報伝達の役目を果たしたことは認識している。取材対応も引きつづき的確におこなうことで、さらなる認知度向上の一助となるだろう。

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こじんまりとした会場にお客さんがぎっしりと集まり、観客がスタンドの内側でも外側でも楽しめた、最終戦の夢の島が、J3に於けるひとつの理想像だ。課題である東京東部の開拓を考えると、FC東京U-23の試合が楽しいものだと北区や江東区で認識されれば、それがクラブ全体の人気向上、味の素スタジアムの集客増にもつながる。
3部どころか5部、6部でもプロ選手が街の人々に認知され、クラブのグッズがつくられ、週末の楽しみになっている国もある。その状態をFC東京U-23が実現すれば、それもひとつの成果と言えるだろう。また、FC東京U-18への親しみが増し、Jリーグ好き、ユース好き、下部カテゴリー好きを一網打尽にするつながりができたことも、うれしい副産物だ。

J3の業務に携わったFC東京の高橋啓さんは「みんなで立ち上げて、みんなで戦った。チーム一体。これが収穫でした。キーワードは一体感と感謝です」と言う。肩書きの分け隔てなく試合の開催に尽くし、クラブの総合力という価値を体現したこと。それだけで、FC東京U-23を創設した意味はあったのかもしれない。

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