浦和レッズ淵田社長がコメント『(来期クラブライセンスについて)資本提携完了が年末予定なため問題がないだろう』
2016 05/15 10:15
▼Jリーグと話し合いながら進めていく
浦和レッズの筆頭株主・三菱自動車が横浜F・マリノスの筆頭株主である日産自動車と資本提携で合意したとの一報から2日が経過した5月14日。発表後、初の公式戦となったJリーグファーストステージ第12節・アルビレックス新潟戦の試合後に、浦和レッズの淵田敬三社長が記者会見に応じた。
「まさに寝耳に水だった」(淵田社長)三菱自動車と日産自動車の資本提携は、「一つの企業が二つのクラブをコントロールするような状況下にあってはいけない」(淵田社長)というJリーグの規約に抵触する可能性があるという。仮に両社の資本提携が規約に抵触すると判断された場合は、クラブの運営問題に発展する可能性があるため、大きな波紋を呼んでいた。とはいえ、規約の解釈に関しては、「資本の割合が問題になるのか、人的派遣が問題となるのか」明文化されていないため、「Jリーグ側とお互いに確認しながら、規約の解釈を踏まえてどういう方向に行くのか、しっかりと話しながら進めたい」と淵田社長は話しており、一朝一夕で結論が出るものではない。
なお、翌2017シーズンのクラブライセンス申請は6月30日が期限となっているものの、三菱自動車によると、2016年の年末に資本提携の手続きが完了する見込みのため、翌シーズンに限ってのクラブライセンス申請に関しては問題がないだろうと、淵田社長は個人的な見解を示している。
当の選手たちには山道守彦強化本部長の口から現況が伝えられ、「浦和レッズとしては自立をしているので心配はいらない。1試合1試合しっかりと戦っていこう」とチームの意思統一を図ったという。スコアレスドローに終わった新潟戦後、今回の資本提携に関する影響について、報道陣から問われた日本代表MF柏木陽介は、「僕たちが考えることではないし、目の前の試合を一つひとつ戦って勝っていくことで『浦和レッズは良いチームだ』と言われるように、結果を出していきたい」と前を見据えて話した。
クラブのトップである淵田社長は、新潟戦のスタンドで心配の声を寄せる浦和サポーターに対して、「レッズは赤のままで戦っていきます。安心してください」と話して回っていたという。三菱自動車と日産自動車の資本提携の進捗状況やJリーグ側の解釈など、その動向から今後も目が離せない。
文・郡司 聡(フリーライター)