【熊本】選手たちが益城町の避難所でサッカー教室を実施
2016 04/20 10:49
有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されているJリーグクラブ有料記事を全文掲載させていただいておりますこの企画。
今回はロアッソ熊本を中心としたWEBマガジン「kumamoto football journal」からサッカー教室に関する記事になります。
【TOPICS】選手たちが益城町の避難所でサッカー教室を実施。(kumamoto football journal)
2016年04月19日更新
17日の明治安田生命第8節京都戦に続き、今週末にホームのうまかな・よかなスタジアムで予定されていた第9節横浜FC戦も中止となった。ライフラインも徐々に復旧、また支援物資も多く寄せられているとはいえ、いまだ熊本県内では余震が続いており、平穏は戻ってきていない。
トップチームは明日20日まで活動休止となっており、選手達の約2/3は県外へ一時避難中。地元出身選手も含めた9人、スタッフ7人はクラブハウスなどでの避難生活を強いられている。
そうしたなか、特に大きな被害が出ている益城町の「阿蘇熊本空港ホテルエミナース」で避難生活を送る子ども達を元気づけようと、19日午後、約10名の選手とスタッフ3人が集まってサッカー教室を実施した。
発端は、自らも避難生活を送っているGK畑実が益城町の職員から打診を受けたこと。19日10時頃に話を聞き、すぐに選手同士のグループLINEに投稿したところ、県内で避難している選手だけでなく、福岡など県外に避難している選手らも「一緒に蹴りたい」と返信。スタッフが用具を揃え、15時からの開催にこぎつけた。
同ホテルの広報担当・和田直人さんによると、もともとテニスコートだったスペースをより幅広く利用してもらおうとフットサル対応にリニューアルしたばかり。完成したのは先週金曜の15日、つまり16日未明の本震が起こる前日で、今回のこのサッカー教室が「蹴り初め」のイベントとなった。
息子さんをつれてきた熊本市の桶田さんも、2泊程車中泊で避難。息子さんは日中、避難所で友達と一緒に遊んでいるというが、やはり揺れがくるとおびえるとのこと。ただ、ピッチで選手達と一緒にボールを追っている間は、息も上がって笑顔を見せていた。
支援物資などを集めて昨日、福岡経由で熊本入りした原博実Jリーグ副理事長も、選手達と一緒にフットサルに参加して汗を流したが、地震による影響の深刻さを実感している。
「すぐに練習を再開するぞ、という雰囲気ではない事が分かった。ただ、熊本だけゲームができない状態が長く続くと、熊本にとってもきつくなるし、(明治安田生命)J2リーグが成立しなくなってしまう。いろんな可能性をシミュレーションした上で、現実的にどう対応していくかをできるだけ早く決断しないといけない」と話したが、一方では震度の大きな余震が続く状況が判断を難しくしていることもうかがえた。
21日以降の活動については明日発表されることになっているが、地震活動が収束していないためにチームとしてのトレーニングは不十分で、第10節のアウェイ山形戦を戦うのも現実的には厳しい状況。
それでも、今回のイベントで子ども達の笑顔に触れたGK畑は、「僕たちが逆に、子ども達から元気をもらいました。避難所にいても、『頑張って』という声をかけてくれる人が多いので、なおさら何か地元のために活動したい」と言う。今日の取組みをきっかけに、FW巻誠一郎の動きで集めた支援物資の提供とサッカー教室をセットにして、他の避難所を訪問することも考えている。
子ども達と選手の笑顔にサッカーの持つ力を感じさせられたのと同時に、1日でも早く平穏な日が来る事を願わずにいられない時間だった。
「kumamoto football journal」ではこのほかにも下記の記事などを掲載中です。
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【練習場だより】4/15トレーニング後の監督・選手コメント
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