柏レイソル新監督ミルトン・メンデス ブラジルでの評判は『戦術家』『オシャレ』(サンパウロ魂・下薗昌記による一言解説)
2015 10/31 10:09
柏レイソルが来季の新監督としてミルトン・メンデス氏に決定したと発表しました。
来季新監督について(柏レイソル)
本日、ミルトン メンデス氏の、2016シーズンからの監督就任が決定いたしましたので、お知らせいたします。
【サンパウロ魂・下薗昌記による一言解説】
柏レイソルの新監督に決定したミルトン・メンデス。ビッグクラブの指揮経験やタイトルは得ていないが、今年のブラジル全国選手権で注目を集めた監督の一人である。
モチベーター型の指導者が長年幅をきかせてきたサッカー王国にあって、今年の全国選手権で戦術的に注目を集めている監督のがグレミオのロージェル(40歳)と名将ネルシーニョの息子である、フルミネンセのエドゥアルド・バチスタ(45歳)、そして一時アトレチコ・パラナエンセを全国選手権で首位に導いたミルトン・メンデス(50歳)だ。
年齢的にはひとくくりに「若手」に出来ない三人に共通するのはブラジルのトップリーグである全国選手権で「新人」に近いこと。エドゥアルドは昨年からブラジル全国選手権で指揮を執るが、ロージェルもミルトンも今年が監督としては一部デビューだった。
ポルトガルでの監督経験を持つものの、ブラジルのクラブを率いたのは昨年からでサンパウロ州選手権2部のフェロビアーリアで実績を残したことから、今年4月名門、アトレチコ・パラナエンセの監督に就任。近年優勝争いに縁がなかったクラブを一時は首位に浮上させながらも、4連敗を喫した9月に解任の憂き目を見ていた。
リオの名門ヴァスコダガマでプロデビューを飾り、当時のポジションは右SB。当時を知る指導者は「クレバーで、早く練習場に現れ、居残って練習する選手だった」。
今季ブラジルのメディアはピッチサイドでおしゃれにスーツをまとうミルトンに注目。ブラジルの指揮官としては珍しくスーツをスタイリッシュに着こなすスタイルは欧州の監督のそれを思わせるが、指導者としての土台を考えれば納得だ。
キャリアの大半をポルトガルで過ごし、監督ライセンスも今季のブラジル選手権では唯一、UEFAプロライセンスを取得しているブラジル人指揮官だった。
欧州サッカーに通じ、イタリアとイングランド、そしてスコットランドのスタイルにインスピレーションを受けたという指揮官は決して、ビッグネームではないが、確かな理論派である。
ブラジルで実績を残していたジョルジーニョ(鹿島)やセルジオ・ソアレス(セレッソ大阪)らが志半ばに日本を後にしていることから、ミルトンの成功を断言するのは早計が、そのイニシャル故、ブラジルメディアで「MM」と評されることもあるオシャレな指揮官の手腕に注目だ。