GK内藤圭佑『努力は、報われる』/東京都サッカートーナメント決勝 FC町田ゼルビアvs早稲田大学
2015 09/06 06:57
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今回はFC町田ゼルビアを中心としたWEBマガジン「町田日和」から内藤 圭佑選手に関する記事になります。
【コラム】第20回東京都サッカートーナメント決勝・早稲田大学戦/GK 1 内藤 圭佑『努力は、報われる』(町田日和)
2015年08月24日更新
■第20回東京都サッカートーナメント決勝8月23日18:00キックオフ
味の素フィールド西が丘/1,371人
早稲田大学 1-2 FC町田ゼルビア
【得点者】早稲田大/67分 山内寛史 町田/40分 鈴木崇文(PK)、88分 遠藤敬佑
(c)FC町田ゼルビア
▼同じ立場を知るからこそ
困難な試合になることは覚悟の上だった。
過去にさかのぼること、2008年の東京都サッカートーナメント。内藤圭佑が在籍していた国士舘大学は、準決勝でFC町田ゼルビアを、決勝では横河武蔵野FCを破り、天皇杯出場を決めた。大学生チームが"ジャイアントキリング"を目指して戦うそのモチベーションを知っているからこそ、町田のゴールマウスを守った準決勝の東洋大学戦も、決勝の早稲田大学戦も、「気持ちの準備ができていた」と内藤は振り返る。
ハイボールやサイドからの鋭いクロスボールは、186cmの長身を生かした高い打点ではね返し、絶体絶命のピンチにはその大きな体でゴールマウスに鍵をかけた。決勝の早稲田大戦では67分に同点ゴールを許したあと、勢いを持って畳み掛けてくる早稲田大の攻撃に、チームは防戦一方となった。しかし、69分に訪れた2連続ピンチの場面では、一度目は星野悟がゴールライン上でシュートをかき出し、再び訪れた失点危機は、内藤のファインセーブでしのいだ。
2012年以来の天皇杯出場権獲得に貢献した背番号1は、「自分の仕事を果たせてホッとしている」と安堵の表情を浮かべたが、周囲はそれだけでは黙っていなかった。PKを含む2得点に絡んだ鈴木崇文は、「内藤がかなり止めてくれていたので、勝てたのは内藤のおかげ」と賞賛を惜しまない。
唯一無二の目標であるJ2昇格を目指す今シーズン、ここまで幾度となくファインセーブでチームの危機を救ってきた守護神・高原寿康は、現在のチームMVPと言っても差し支えない活躍を披露しているため、内藤が一つしかないレギュラーポジションを奪うことは困難を極めている。しかし、本人は油原丈著GKコーチの下、ブレずに厳しいトレーニングを積んできた。
「この試合(東京都サッカートーナメント)に出られたからといって、リーグ戦に出られるわけではないと思う。でもこれまで自分がブレずに努力してきたことを出す場面がなかったけど、今回は出せる場面があって、それでうまくいった。努力は報われるなと確信できたので、これからも続けて努力をしていきたいと思う」
2試合1失点天皇杯出場権獲得。大学生チームとの2連戦になったとはいえ、内藤の奮闘なくして、東京都サッカートーナメント制覇は実現できなかった。その足跡は、決して色褪せることはない。
Text by 郡司 聡(Satoshi GUNJI)
【プロフィール】
内藤 圭佑(ないとう・けいすけ)
1987年8月11日生まれ、28歳。広島県広島市出身。186cm/80kg。安芸FC→広陵高校→国士舘大学→カターレ富山→ザスパ草津/ザスパクサツ群馬を経て、2015シーズンにFC町田ゼルビアへ加入。J2通算43試合出場(2015年8月24日現在)。
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