中島翔哉、冨樫剛一監督の人柄を思い起こす【トーキョーワッショイ!】
2015 08/06 07:01
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今回はFC東京を中心としたWEBマガジン「トーキョーワッショイ!プレミアム」から中島翔哉選手に関する記事になります。
【今週の小平】コラム◆中島翔哉、冨樫剛一監督の人柄を思い起こす(2015/07/27)(トーキョーワッショイ!プレミアム)
2015年07月27日更新
コラム◆中島翔哉、冨樫剛一監督の人柄を思い起こす
7月26日のJ2第26節で京都サンガF.C.に勝ち、1-0での三連勝を飾って4位に浮上した東京ヴェルディ。試合後、冨樫剛一監督は次のような言葉を残している。
「自分はたぶん、いい監督ではありません。すごくいろいろな経験をしてここにいます。実際には、いろいろな監督をトップや育成で見ていくなかで、どこまで選手に対して要求をし、どこまで自分たち(コーチングスタッフが)がまんをするか、というところは、すごく自分のなかでも難しい......ただ、自分はここで育ってきて、ここの選手たちはすごくサッカーの話ができる。それは育成のときから自分もそうであったし、ここの指導者にはすごく深みを持った教え方をしていただいていたので、自分もそうなれたらいいなと思います。瞬間の判断を含めて自分がどこまでトレーニングのなかで首をつっこんで、彼らに余計なストレスを与えて判断ミスをさせない......というよりはじゃまをしない、いいコミュニケーションをとっていいサッカー観を話しあうことができていると思います。そこが、選手たちが判断よくプレーできているところ(原因)なのかな、と思います」
ヴェルディまたはヴェルディ出身の選手たちは、サッカーをよくわかっていて、深い認識を交換できるのか。中島翔哉にそう訊ねると、彼は首をタテにふらなかった。
「冨樫さんだから選手は話しやすいんだと思います。ヴェルディだからというよりは」
冨樫監督でも雷を落とすときがないわけではない。ハーフタイムの檄でチームがめざめた試合も過去にはあった。しかし評判を聞けば、あるいは直に言葉を交わせば、むやみに怒るタイプではなく、誰にでも温厚な接し方をしてくれる好人物であるとわかる。
中島もそのようなことを言っていた。
「単純に人柄によるところもあると思います。すごくやさしい、いい人なので。ユースのときに(冨樫監督と)やっていますけれど、自分の意見も言いやすいですし、(監督から選手に言うことも)聞き入れやすいように喋ってくれますから」
いまのヴェルデイはハードワークを基調として、相手よりも多く走りながら、従来備わっている個人技や創造性も活かしたサッカーをしている。巧い選手たちに運動量の多いタスクを納得させるのはかんたんではないはずだが、ヴェルディユース出身の選手たちも、この方針に逆らっている様子はない。第26節でドリブル突破を仕掛けてPKを奪い、自ら決めて勝利の立役者となった高木大輔は「走ることが自分のひとつの仕事だと思っていますし、ぼくと(杉本)竜士くんに何を求められているかと言ったら、機動力」と言い、まず走るのだという覚悟ができている。
押しつけではなく、相互理解によってチームが出来上がっているのだろうということは、中島の話を聞いてもわかる。中島は言う。
「『おまえはどう思う?』と問いかけてもくれますし、そういう自由な感じがヴェルディになければ、いまの順位(J2第26節終了時点で4位)にいないと思います。だから、チームをまとめるにあたって多少の規則も必要だと思いますけれども、自由な部分もなきゃいけない選手たちが多いと思うので、それをうまくやっているのかなと思います」
自由な部分もなきゃいけない、というのは、もちろん臨機応変に相手ゴールを陥れる創造性、相手のウラを欠く意外性に影響するからだろう。規律を守らせて自由も保証するなかで育ってきた中島がFC東京にとって幸運と言ってもいいかもしれない。中島は「ゴールは大事だけれども、それだけではない」と言い、東京のサッカーに必要な守備を遂行しようという意識が高い。そのうえで、自ら仕掛けて得点を奪おうという意欲もある。
変化に乏しい東京の攻撃にアクセントを付与できるのは、現状では中島翔哉、そして河野広貴、ヴェルディ出身のふたりだろう。古巣の活躍を刺激に、J1で頂上をめざすべく、持てる才能を存分に発揮してほしいものだ。
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