選手入場で歌う「アレオトリニータ」が誕生して育った道のり【初代マネージャーが綴るトリニータ日記】
2015 07/28 06:52
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今回は大分トリニータを中心としたWEBマガジン「trinita.eye」から「アレオトリニータ」に関する記事になります。
【横から目線】初代マネージャーが綴るトリニータ日記:選手入場で歌う「アレオトリニータ」が誕生して育った道のり。(1380文字)(trinita.eye)
2015年07月15日更新
選手入場の「アレオトリニータ」。これから戦う選手へ向けて、サポーターがアカペラで歌うチャントだ。タオルマフラーやゲーフラを掲げ、ビッグフラッグの演出があったりと気合いが入るドキドキワクワクする瞬間。このスタイルは長い間続けられている。
1999年J2元年か2000年か、この辺の記憶が曖昧だがチーム関係者から「トリニータの曲が出来たから聞いてみて」とカセットテープを渡された。カセットテープというのが時代を感じるが、それが公式サポーターソング「Allez Oh! TRINITA!」だった。
それからは、試合前と試合後の時間帯に「アレオトリニータ」が流れるようになった。覚えやすいキャッチ―なメロディはすぐに親しまれ、サポーターによって選手入場の際に取り入れられた。2000年の大分陸上競技場で歌われた記録がサポーターによって残されているので、おそらく、「アレオトリニータ」の歴史は2000年に始まったということで間違いない。
しかし、サポーター文化がまだ育っていなかったため、2002年に"選手がアップでピッチに登場するときから、選手入場まで"を解説した「ゴール裏サポーター的応援の仕方」のマニュアルのビラを作って配ったりと、少しずつ浸透の歩みを進めた。
2003年J1初シーズンの序盤戦までは、選手入場時には音楽がかけられ、それに被せるように「アレオトリニータ」を歌っていた。せっかくの歌声が音楽でかき消される。ビッグアイ(大銀ドーム)で観客数も伸びゴール裏の人数も増えたこの時期、私は選手入場の際に音楽をかけずに、サポーターの声だけで選手を迎え入れたいと、ある人に相談してみた。そのある人とは、当時のサポータークラブTrinista代表 加藤雅也さん(2004年永眠)。加藤さんは即チームに交渉してくれた。そしてチームの理解と加藤さんの行動力ですぐに実現することが出来た。音楽なしで声と太鼓だけで勝負する。盛り上がるのだろうかという不安はあったが、それは杞憂に終わった。サポーターは自信と誇りに溢れていたように思う。
「アレオトリニータ」が定番化されてきた2004年、選手入場曲を変更しようという意見が出てきた。もっとかっこよいものを、もっと迫力のあるものをという向上心。一時期「NEOCON」に変えようと動き出した。実際に「NEOCON」を何試合か歌っている。しかし、理想的な迫力が出ない。そんな時、病気療養中だった加藤さんから、Trinistaの仲間にメールが届いた。「今まで築いてきたアレオトリニータを簡単にやめていいのか」と。この加藤さんのメッセージは心に響き、もう一度考えるきっかけとなった。サポーターで話しあった結果「アレオトリニータ」を歌い継いでいくことを決めた。加藤さんには感謝しかない。その後、「アレオトリニータ」は、スタジアムへ訪れたみんなで育ててきた。
16年の間、何人の選手が「アレオトリニータ」で入場したのだろう。西川周作選手、森重真人選手、清武弘嗣選手をはじめ、本当にたくさんの選手が「アレオトリニータ」で入場したのだ。この先もずっと「アレオトリニータ」が、スタジアムに響き渡っていくように。これからも戦いは「アレオトリニータ」から始まるように。さあ、今シーズンも選手を「アレオトリニータ」で鼓舞しよう。
reported by 横川あゆみ
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