紙媒体とWEB媒体。どちらも必要です。【山形ライターコラム】
2015 06/10 07:01
有料WEBマガジン『タグマ!』編集部の許可の元、タグマ!に掲載されているJリーグクラブ有料記事を全文掲載させていただいておりますこの企画。
今回はモンテディオ山形を中心としたWEBマガジン「Dio-maga」からライターコラムになります。
【嶋コラム:ピッチの片隅で魂を叫ぶ】紙媒体とWEB媒体。どちらも必要です。(1731文字)(Dio-maga)
2015年05月29日更新
私の最も大きな仕事は、「モンテディオ山形ファンマガジンRush」という雑誌のメインライターを務めさせて頂いていることです。
あくまでフリーランスなので、サッカーの他の媒体はもちろん、サッカー以外の取材もちょこちょことやっていた時期もありましたが、最近はほぼサッカーがメイン。特にこのDio-magaが始まったこの2ヶ月間はRushとDio-magaの仕事がメインになりました。
Rushは紙媒体。Dio-magaはWEB媒体。実際にやってみて分かりますが、同じサッカーのジャンルでも、違う媒体に関わって仕事が出来るのは、非常に勉強になりますね。紙媒体とWEB媒体では書く内容も伝える物の性質も違うからです。
紙媒体のRushでは、文章量に限りがあるため凝縮した情報を提供することになります。その上、月刊誌で他の紙媒体よりも情報が遅くなるため内容も必要です。試合の流れも思いだせなければいけません。
紙媒体には、「ずっと後にまで残る」という性質があります。さすがに100年単位は厳しいでしょうが、10数年前のモンテディオ山形の姿は、Rushの中に今も残っています。
新しくモンテディオに加入した選手が、かつて所属したチームで対戦相手として昔のRushに載っている。そんなことも珍しくありません。Rush創刊号の表紙は選手時代の高橋健二コーチだったりもします。後々に読み返してこそ価値があるのが紙媒体。
そういったクラブの歴史を後世に残していくという意味で、紙媒体のRushには重要な意味があります。
ではWEB媒体はどうでしょうか。
まず大きいのは情報量の増減が自由なことです。冗長すぎれば読まれないので調整は必要ですが、書きたい事や伝えたい事を存分に書き切れます。コメントも作業量の負担を無視すればいくらでも掲載できます。これは誌面というスペースに限界のある紙媒体では絶対にできないことです。
情報の検索も持ち運ぶ事も簡単ですね。ネット環境さえあれば、キーワードで検索出来ますし、引用もコピー&ペーストで簡単です。
何よりも紙媒体と違うのは速報性です。紙媒体のように印刷所を通さないので執筆→入稿→校正→即アップが可能です。
<Dio-maga>の選手・監督コメントは3人(今は2人ですが)で分担して起こしていますが、アップされる10分~20分前に入稿が当たり前の世界です。ちなみに、今この部分を打っているのが、5月29日の午前10時。原稿を書き終えて即アップされたら11時頃になるでしょうか。いち早く情報を知りたい読み手側のサポーターにとっては本当に便利な世の中になりましたね。まあ、書き手側の時間との戦いについてはここでは触れないでおきますが・・・。
今の世の中では、「これから紙媒体がどんどん厳しくなる」と言われていますね。実際にサッカーマガジンが月刊化し、サッカーダイジェストも隔週化しました。
インターネットの普遍化によって、読み手が得られる情報量とスピードが飛躍的に増したことで、相対的に紙媒体である必然性が薄れたためで、ぶっちゃけてしまえば紙媒体であるという必要性が減ったからですね。試合の後、少しでも早くコメントやレポートを読みたいのは誰でも同じでしょうから。
ただ、紙媒体も簡単には無くならないと思います。紙媒体の最大のメリットは「形に残ること」。本や新聞を手に取って読み返した時に「ああ、この時はこんな事があったなぁ」と思い出せるのは紙ならでは。最初の昇格の時、昨年の昇格の時、Rushだけでなく、記念品やその当時の新聞の切り抜きなどでも手に取れば思い出せるはずです。
少なくとも思い出を残しておきたいと思うサポーターにとっては、何よりも大事な媒体になるはずです。
紙媒体とWEB媒体。どちらにもメリットがあるので、しばらくはバランスを取りながら併用が続くのではないでしょうか。
もちろん、J'sgoalが終了し、その受け皿となるべく始まったDio-magaも大事にしています。速報性と情報量をメインに、少しでも多く の皆様に様々な情報を提供できればと思っています。どちらの媒体も大事にしていきたいですね。
というわけで原稿を書き終えたのが10時40分、何時頃にアップされるかは・・・お楽しみに。
※掲載時間:05月29日 11時03分
「Dio-maga」ではこのほかにも下記の記事などを掲載中です。
【山形vs鹿島】レポート:今季初の逆転に成功も守りきれず。別の選択肢を選べる柔軟性も必要。(2413文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/06/08/post969/
【山形vs鹿島】高木純平選手「チャンスを決めきる力が付けば、もっともっと自分達のサッカーが出来ると思う」瀬川和樹選手「自分がうまく行かなかったから自分で追い込んだような感じがしました」山岸範宏選手のコメントも(2391文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/06/07/post964/
【山形vs鹿島】山﨑雅人選手「あそこでもう1点取りにいくぐらいの姿勢、結果を出せないとダメ」林陵平選手「俺があの3点目を決めていれば。結果論ですけど、勝てた試合だと思うので、そこは自分の責任」(1997文字)
http://www.targma.jp/yamagata/2015/06/07/post960/