【川端編集長のニュース一言解説】SBS杯に出場したU-19日本代表は1勝2敗→アジア最終予選を突破するための課題とは?
2014 08/18 17:58
8月14日から17日の日程で行われたSBSカップ国際ユース大会。
そこにU-19日本代表が参戦し1勝2敗という成績になりました。
U-20W杯予選直前のSBS杯で感じた閉塞感...更なる奮起を期待(サッカーキング)
大会を通じて露呈したのは攻撃面での閉塞感だった。「(ボランチの川辺)駿(サンフレッチェ広島)に入ったときしかスイッチが入らない」と中谷が嘆いたように、チームが意図する連動性のあるビルドアップからフィニッシュまで持ち込んだシーンは3試合を通じて数えるほど。突破に掛かる段階で勝負する選手が余りに少なく、攻撃が形にならない。
かわばた編集長の一言解説
40年近い歴史を持つSBSカップ国際ユース大会が今年もお盆の時期に開催されました。U-19日本代表は総当たり戦でコロンビア、静岡ユース(静岡県U-18選抜)、韓国と対戦して1敗、1PK勝ち、1PK負けという結果に。
リーグ戦にもかかわらずPK戦があるのはこの大会がそもそも静岡県の国体選抜を強化するために創始された大会であることの名残だと思われます。大会名にもなっている中継TV局(SBS=静岡放送)にとって「PK戦」は視聴率的においしいコンテンツだという一面もあるのでしょう。U-19代表の強化という意味でもPK戦の緊張感を経験しておくのはマイナスではないと思います。プロ入りすると緊張感のある状況でPKを蹴る(あるいはGKがPKを受ける)機会というのは激減しますしね。
記事にもあるように、内容的にも非常に厳しい大会になってしまいました。秋のアジア最終予選(AFC・U-19選手権)に向けて主力選手たちが軒並み強い危機感を口にしていたのも無理はありません。変に精神的に追い込む必要はないと思いますが、この状態のままに大会に入ってしまうのはリスキーですね。
最終予選の組み合わせは下記の通り。
A
ミャンマー、イラン、タイ、イエメン
B
ウズベキスタン、オーストラリア、UAE、インドネシア
C
韓国、日本、中国、ベトナム
D
イラク、北朝鮮、カタール、オマーン
はい、厳しい組です。
ベトナムは「ドリームチーム」と呼ばれるほどに現地での期待値が高く、強化に力を入れている世代です。今年1月のベトナム遠征では、「A代表よりも人気があると言われてビックリした」とU-19日本代表・鈴木政一監督。そのときは南野拓実の大活躍もあって日本が圧勝しているのですが、「まったく油断できるような相手ではない」(鈴木監督)。今年の夏には日本で長期合宿を張るなど強化プランに余念はなく、日本側の警戒感も強いです。
ライバル・韓国については言わずもがな。今回のSBSカップは主力を招集せずにサブメンバー主体の構成でしたが、それでも個々の力強さはさすがというべき水準でした。そして中国も当然ながら油断できる相手ではありません。2位以内に入ってグループステージを抜けると、D組(イラク、北朝鮮、カタール、オマーン)のいずれかの国となります。そこに打ち勝って初めて世界切符獲得。来年開催されるU-20W杯への出場権を8年ぶりに(!)確保することとなります。