【情熱の分析家・河治良幸の一言解説】アギーレ監督を解任で大仁会長緊急会見。この嵐は、夜明けの前触れとなるのか
2015 02/03 22:50
アギーレ監督を解任 大仁会長「大変残念な結果」(デイリースポーツ)
日本サッカー協会の大仁邦弥会長(70)は3日、都内の同協会で会見を開き、ハビエル・アギーレ日本代表監督(56)の解任を発表した。大仁会長は「我々としては大変残念な結果となった。私共が一番考えなくてはいけないのは、日本代表チームへの影響です」と話した。
【情熱の分析家・河治良幸の一言解説】
今回の人事にアジアカップの結果が影響しているかどうかですが、大仁会長が手腕を高く評価していること、あくまで告発の受理により、「今後の強化に影響が出る懸念から」ということを強調していることからも分かるように、結果の責任を問われたと考えるのは飛躍しすぎているように思います。
"コンプロミッソ"(責務)を掲げるアギーレ監督はアジアカップを勝ちに行く大会として早い段階から宣言しており、準々決勝で敗退した結果にアギーレ監督自身も満足していなかったのは間違いありませんが、「上を向いてこれからも続けていきたい」とその後のさらなる強化に意欲を示していました。内容的に手応えをつかんでいたからこそでしょう。
霜田技術委員長はアギーレ監督に引き続き指揮を任せる意向を示しましたが、若手やフレッシュな選手にチャンスを与え、大会中に問題視された選手層の問題にてこ入れしていくよう、アギーレ監督に要請していくことも明言していました。メキシコ代表やオサスナでは柔軟な戦術で、時に自分たちより強大な相手を破ってきたアギーレ監督だけに、ここからどう強化を進めて行くのか、本領が発揮されるのはこれだからだったはずです。
また練習の様子や選手の証言によれば、熱いハートの持ち主でありながら、タイミングよく声をかけてくるなど、人間味に溢れるキャラクターでチームをマネージメントしていました。サブの選手も常に観てくれている印象は持っていたというが、4試合が終わって23人中7人が一度も使われないまま終わり、自分たちの不甲斐なさはもちろん、結局試合で使ってくれなかったという悪いイメージも残ってしまったかもしれません。
たった半年足らずで監督が替わることは本来イレギュラーであり、理想的な選択とは言えません。ただ、監督が替わることで再び多くの選手たちに代表入りのチャンスが生まれ、代表の新たな風がJリーグの活性化につながり、結果として代表の競争力も増していく。そんな流れが生まれる契機となるならば、今回の決断をより前向きにとらえることもできるでしょう。
2度の親善試合が組まれている3月までに新監督が決まるのは理想的ですが、そのために無理やり決定するわけではないと大仁会長も語っています。新任監督が失敗するリスクは小さくありません。そもそも監督人事に100%の正解はないと思いますが、考えられる中でベストの人選をして、選んだら全力でサポートする姿勢を打ち出していってほしいです。